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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ヴェローナ・バッサ その4

ここは、かなり残念でした。
San Pietro di Legnagoのサン・サルヴァロ教会。


この高い塔のおかげで、すぐに場所が分かって、お、これはちょっといい感じではないか、と期待しながら、急ぎ足でファサードの方に回ります。


ガーン。
思いっきり、扉は閉ざされています。
まだお昼休みの時間でもないし、でも今開いてないということは、いつも開いていないのかしら。それにしては、かなりきれいに整備されているし、どう見ても現役なんですよねぇ。

ファサードの右奥の方が、住居になっていますので、躊躇なく、ベルを鳴らしてみました。
すぐに鉄扉が開けられて、人が出てくる気配です。どきどき。
なんと神父様が出てきました。
しかし!ラッキー!と思ったのも束の間。あの、教会、開けてもらえないでしょうか。と尋ねると、人のよさそうな気の弱そうな初老のパードレ、明らかに困ったな、という顔をして、「門番がいないから、無理…」とぼそりと。
「ほら、そこの家に住んでいる人だから、いつもだったらいるんだけどね、イースターでお休みだから、いないんだよ。」もごもご。

普通の人が、イースターで連休だからいない、というのはとってもよく分かるんですけど、ここ教会なんですけど!ミサをしないのかよ!
と、罰当たりなことに、心の中で罵倒していたわたし…。パードレもさ、人がよいのはいいけどさ、もうちょっとピリッとできないかな!とか。隣にすんでるならさ、門番が留守のときくらい、鍵くらい預かってもいいんじゃないのか!とか。

ここは、カノッサのマチルダの時代の、由緒正しい教会らしいんですよ。マチルダのことが刻まれた碑文もあるということなので、創建には彼女が直接かかわっているのかもしれません。また、10世紀ごろの古いクリプタがあるんです。あああ、見たかったなぁ。まぁ、そのような古いクリプタは、たとえ教会が開いていたとしても、アクセスできたかどうかは分かりませんけどね。

仕方ないですね。
往生際悪く、横から撮ってみたり。


塔のアップをしてみたり。


石とレンガのツートンカラーのこの鐘楼、とてもほっそりと優美です。スタイルは完全にロマネスクですが、あんまり美しいので、かなりの部分、再建かな、とも思われます。

気を取り直して、次に向かいます。
観光地じゃない地味な場所はこれだからね。でもいちいちめげていたら、ロマネスク行脚はできないし!
しかし、気の弱いパードレに出会って、去年トスカーナはカセンティーノで出会った、ちょっと色ボケしてるようなパードレを思い出してしまいました。教会を愛するあまりに、誰が来ても超歓待して、自分の本を売りつけて(ここがミソ)。それでも、いいパードレだったよなぁ、と。

ベネトのロマネスク、こちらもどうぞ。
ロマネスクのおと
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  1. 2011/05/18(水) 05:04:56|
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