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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ヴェローナ・バッサ その5

全体にかなり傷んでいます。でも、かろうじて中世の雰囲気は残っているっていう感じ。
Cereaのサン・ゼノ教会。


後陣側からは、緑が広がっていて、とても山奥の、素敵なロケーション!と思われるかも知れませんが、実は、ファサード側は車道に面していて、それもヴェローナに向かう幹線道路なので交通量はかなり激しく、渡ってファサードを撮ろうにも道幅が狭いので、ほとんど自殺行為的な、そういうロケーションなんです。前と後ろのロケーション落差、超激しいです。
全体がレンガで、地味ながら、ロンバルディア風の装飾も見られます。


軒下の、レンガのぎざぎざモチーフとか、あまりに地味で、全体に埋もれちゃってアーチすら付随していない、レンガ一列の付け柱とか。これが、美しく保存されていたら、きっとかなりいい感じだったかも、と髣髴とさせるような。
そもそも、かなり大きな教会なので、かつては、それなりの栄華を誇ったのではないかと思われるんですよ。ささげられているのがサン・ゼノですから、ヴェローナの影響下にあったのは明らかだしね。
何かないかな~、と思って、ぐるりと周ってみたら、南側の外壁に、古そうな大理石のレリーフが、いくつかかけられていました。


そして、そのあたりの敷石。


いや、古ければいいってもんでは全然ないのですが、そもそも中世探訪は、ローマとかギリシャとかの考古学とは方向違うんだし。でも、こういういい感じに摩滅した古い床の石板というのは、妙に心惹かれるものがあるんですよねぇ、なぜか。かつてこの上を実際に歩いたりした何かが感じられるっていうのか、そういう。古代のものよりも、ちょっと近い分、なんていうか、具体的な歴史が感じられるみたいな。
南側の扉上には、レリーフのあるアーキトレーブ。


相当古びているものの、モチーフはちょっと新しい感じがするので、これがオリジナルの時代のものだったら、ちょっと驚くな~。
修復されている箇所もかなり見受けられますけれど、オリジナルのレンガ積みの美しさは、多少なりとも今でも感じられます。
地味だし、中にも入れないし、自殺行為的なファサード撮影でしたけど、結構満足感がありました。教会としては、一応まだ生きていると思われます。

しかし、こんなに地味な教会ばかりだと、詳しい資料は見つけられないだろうなぁ、と思っています。どうでしょうね。

ベネトのロマネスク、こちらもどうぞ。
ロマネスクのおと
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  1. 2011/05/20(金) 05:26:35|
  2. ヴェネト・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

《そもそも中世探訪は、、、、古代のものよりもちょっと近い分、、具体的な歴史が 感じ螺れるというか、、》全く同感です。中世って時間的距離感が程よいのですよね。今日の教会、荒野にポツンという雰囲気なのにそういう ロケーションなのですか、、。。レンガの角をみせた組み方も面白いし、窓の上の白大理石(?) の彫刻、同心円みたいなの、こういうのは初めてみました。
  1. 2011/05/19(木) 23:12:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
ちょっと執念の撮影っていうか、全体ががっかりな感じだと、執拗に何かを探しまくってしまうんですよねぇ。でもそのおかげで、当時の雰囲気が少しでも伝わっているとすれば幸い。
この同心円みたいなのは、かなりモダンな感じなんですけど、でも、新しい時代にやるには、アーキトレーブにこれ、って言うのが、あまりないような気もして。不思議なんですよね。
  1. 2011/05/20(金) 20:28:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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