fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ヴェローナ・バッサ その6

相変わらず地味なロマネスクが続きますが、最後二つは、ちょっとかわいらしくて、気持ち的には盛り上がった場所です。

まずはこちら。イソラ・デッラ・スカラという小さな町の郊外にあるバスティア教会。
Chiesa della Bastia ad Isola della Scala


町外れ、ちょうど家が途切れた場所、緑の始まる境界線上にあります。小さな小さな教会で、周囲を取り囲む木々に守られている感じ。環境的には、ちょっと神社のような感じも。
誰もいなくて、風がそよそよして、かすかに花の香りが漂って。

木が邪魔して、全体の姿を捉えにくいのですが、こういう感じです。


一身廊のこじんまりとした規模で、後代の修復の後も明らか。ですが、小さいということとロケーションの素晴らしさで、ロマネスクの雰囲気をかなり感じさせてくれます。

ファサード。


もしかしたら予算がつかなかっただけ、とかそういう理由かもしれないんですが、余計な手を加えたりしていないのが、かえってよろしい。
例によって、何かあるだろ?と目を皿にして探すわたくし。
こんな碑文がはめ込まれていました。


言葉は分からないのですが、1122らしき数字が判別できます。その辺にあった墓碑が、古いものだからって修復の際にはめ込まれたものと思われます。墓地があったということかもね。

そういう宝探しをしていて、気づくのが、壁の美しさ。


レンガや石や、異なる色のものを丹念にデザインして積み上げていて。南壁がレンガと石の混ざったもので、北はほとんどレンガ。そういうのって、理由は、時代なのか、職人さんなのか分からないんですが、面白いし、その丹念さが美しさを生み出しています。
こういうのを美しいって感じちゃうのが、少々病的かも知れないと思ったりもするんですけども。もし、これを見て美しいと感じる方があれば、ロマネスクにはまる素養十分ですので、是非ご自覚の上、一緒に修行(?)しましょう!

ベネトのロマネスク、こちらもどうぞ。
ロマネスクのおと
スポンサーサイト



  1. 2011/05/26(木) 04:41:18|
  2. ヴェネト・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<虹、再び | ホーム | ミラノ展覧会 ワールド・プレス・フォト2010>>

コメント

No title

石をヘリンボーン状に並べて、この石が かわいいですね。職人さんの、何とかかっこいい教会にしようという 熱意というか、いじらしさみたいなものを感じます。最初の写真、まさに山の上の神社の趣、気持ちよさそう
  1. 2011/05/25(水) 23:26:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
かわいさが分かっていただいて、なんかうれしいです!
歴史はある教会だし、場所的にもそれなりに由緒も正しいのではないかと思うんですよ。つまり、それなりのお金をかけて作られたのではないか、と。こういう人知れない教会の由来とか想像交じりで調べていくのも楽しいもんです。
  1. 2011/05/27(金) 20:45:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/604-0f70be45
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)