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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

Novara周辺のマイナー・ロマネスク その3

今回のノヴァラ地域行脚で、最も気に入ったのがここ、カルピニャーノ・セージア。
Carpignano Sesia - Chiesa di San Pietro


フレスコ画があるという情報は得ていたのですが、町もかわいいし、教会のたたずまいもびっくりで、いやはや、無名ながらも訪れる価値のある場所がどれだけあるのか、と久しぶりにイタリアの奥深さに感嘆です。

後陣に12世紀初頭のフレスコ画が、修復の結果もあり、見事に残されています。


ノヴァラ地域で12世紀初頭ということなので、イメージとしては、ブリーガ・ノバレーゼのサン・トマソだったんですが、全然タイプの異なるものでした。
ビザンチン風、なんだけど、そういうよりも、フリーダ・カーロって言うか。眉毛がつながりまくりで、激しく濃いんですよ。


濃いでしょ、表現もだけど、色彩的にもなんかすごく泥臭い。
12世紀初頭だと、たいてい文句なく好き、となるんですが、ここのフレスコは、あまりの激しさに、なんていうか、かえって冷静に見てしまいました。

12世紀のもの以外にも、13世紀以降のフレスコ画もいくつか残されていて、それも、見事な修復に、感心しました。


これなんか、左の方からマリアに向かって鳩が投げつけられるように飛ばされているんですけど、天使の集団がみんな腕組みなんかしちゃってるし、鳩の軌跡は点線で表されちゃったりしてるし、ちょっと漫画的で面白いな~、と感心。こういう新しい絵(あきれられそうですが、わたしにとっては、13世紀はもう新しいんですよねぇ)は、サイトの方では紹介できませんので、あえて。同じ時代のフレスコでは、シエナのサンタ・カテリーナのかわいらしいお姿もありました。こちら。


手にハートなんかもっちゃって、いかにも時代が下るって感じ。でも美しいフレスコです。

どうですか、なんかよくないですか?
ここは、いろいろ面白かったので、じっくりと紹介させてもらいます。

ピエモンテのロマネスク、こちらもどうぞ。
ロマネスクのおと
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  1. 2011/06/17(金) 04:27:28|
  2. ピエモンテ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

いつも拝見して思うことは歴史を感じます。
素晴らしい!
  1. 2011/06/17(金) 00:38:00 |
  2. URL |
  3. Takumi #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Takumiさん
やっぱり歴史ですかね。時間。思い。そんなすべてが合わさって、きっとロマネスクが好きなんです。
  1. 2011/06/17(金) 21:32:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

聖人、使徒たちなのでしょうか。 この眉、存在感がありますね。
面白いとおもったのは13世紀のフレスコ画、マリア様らしき人が 本を前に座って(立って)いるので 受胎告知かな? というかんじです。上の女性たちは 天使で 鳩をもっているのですか? お告げだと聖霊の鳩が 描かれますがまるで弾丸みたいに天使が 抱えているというのがおもしろいですね。シエナの聖カタリーナも楚々たる風情でいいです。マイナーもあなどれませんね。
  1. 2011/06/19(日) 10:41:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

YKさん
眉毛、すっごいですよね。全体に泥臭さ、バタ臭さが、なんとも強烈でしたよ。隅っこの方では、ちょいとローマ時代のフレスコにも通じるようなものもあったり。不思議でした。
13世紀の方も面白いですよね。受胎告知だと思うんですけど、天使の一群が、マリアに鳩を投げつけているような。
マイナーはわたしの得意とするところですが(?)、やはりここまで素晴らしい場所というのは、なかなか出会えないですね。ここは、本当に面白かったです。
  1. 2011/06/19(日) 22:00:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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