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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロマーニャのマイナー・ロマネスク その3

この地域、最後に訪ねたのは、カンポットという自然公園の中にある小さな小さな教会、サン・ジョルジョです。
Chiesa di San Giorgio - Argenta (Oasi di Campotto)


本当に暑い一日でしたので、この緑滴る木陰を見るだけでもほっとしました。
適度に開けた森、そばには川も流れていて、美しい公園です。その一角に、ぽつんとあるのが、この教会。教会というよりも礼拝堂規模ですね。この地域では、最も古い歴史を持つ教会です。

この教会、普段はクローズ。中には、ビザンチン風の祭壇とか、12世紀のフレスコ画の名残も残されているようですが、内装全体はかなり新しくなってしまっているようなので、無理やり中を見たいというほどでもなく、注目は、なんと行っても正面扉周りの装飾です。

リュネッタ、強烈なモチーフです。


痛そう…。これは殉教者ジョルジョさんの拷問の図らしいですけれどね、リュネッタにこういうのを置くというのも珍しいですよね?わたしは初めて見ました。
強烈なモチーフですが、例によっていい具合のヘタウマなので、あ、痛そうだけど、なんかかわいいし、っていう感じもあるんですけれどね。当時の人は、真剣に痛い怖い、と思って見ていたのかな。

アーキトレーブにはグリフォンが向かい合っています。
アーキトレーブの両端には、こういうはだかんぼうの変な人のフィギュアが。


そして、側柱にある柱頭のレリーフも、どっちもなんか変なんですよね。


ね。どれもすごくいろいろと意味がありそうです。調べるのがまた楽しみ。
扉の両脇には、各月の労働図がずらり。


このモチーフは、確か中部イタリアに多くみられるものなんですよね。野良仕事とか、ぶどう酒つくりとか家畜の世話とか、各月を象徴する仕事がモチーフになっています。残念ながらかなり摩滅してしまっていて、ほとんど何してるんだかよく分からないことになっていましたけれど。
かわいいでしょ。
ただ、アーキトレーブにあるグリフォンとか、他の場所にある植物モチーフの帯とかは、人物フィギュアに比べると、やけにすっきりとスタイリッシュでうまい感じなんですよ。時代が若干違うのか、または手が違うのか。
それとも単に人は難しかったのか。面白いですよねぇ。
なんにせよ、こういう全面的にかわいい装飾に出会うと、うれしくなって疲れも飛びます。
やっぱり、ロマーニャは、また戻らないといけませんね。というわけで、いつになるかは分かりませんが、次回をお楽しみに。

ロマネスク好きな方、是非こちらもどうぞ~!
ロマネスクのおと
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  1. 2011/07/19(火) 04:40:09|
  2. エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

先日のサン・ピエトロ・イン・シルヴィス教会、内部も7世紀なんて見たいです。是非再訪なさってお写真みせてください。今日の教会、聖ジョージについては竜退治しか知らなくて歯車による拷問を受けたことは初めて知りました。そういわれてみると、下のグリフォン、聖ジョージの絵では竜がグリフォンみたいに描かれていることもよくあるので、関連付けてみることもできるかな?柱の、手をあげている人、これはヘタウマではなく完全に下手っぴ。でもこういう方が楽しいですよね。オランスのポーズをとっているのかアトランタなのか分かりませんが。隣の首が折れたみたいな人。こういう分けのわからない方が想像が膨らみます。手をあげるのに疲れちゃったかな、なんて。余計なことですけれど 先日私もイケアに行って机(板、脚、引き出し)と椅子を買いました。安くてモダン、でも組み立てが高齢者には重労働でした。
  1. 2011/07/19(火) 00:55:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
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No title

YKさん
いつになるか分かりませんが、絶対に再訪しますので、気を長くしてお待ちくださいね~!こういうマイナーな場所は、資料を探すのも骨ですが、それもまた楽しいことで。ただ、資料を読む日がいつになることやら、これまた気が遠くなるような…。
高齢者なんていわないでくださいよ~。わたしも最近腰が弱くなって(笑)。変に暑かったり、雨が降ったりで、ジョギングも10日くらいお休み続きで、いかんです。鍛えないとね。
  1. 2011/07/19(火) 20:39:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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