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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

スイス、ベルンの一日、その3

パウル・クレー・センター続きです。


2005年にオープンした当初は、やたらと作品がある、みたいな状態だったみたいです。とにかく持ってるんですよね。だって、多分かなり多作、とカテゴライズされるはずのクレーの生涯作品の半分近くを所蔵しているということですからね~。
でも、あまりにずらずら並べすぎるって言う批判もあったせうか、今は、とっても地味、スペースはたくさんあるので、量的にもちょっと物足りないくらいですねぇ。


それにしても、クレーの色彩感覚って、すごい~。本当にきれいなんですよ。油彩でも水彩でも、同じような透明感で、なんでこんな軽々と…ってびっくり。
全然、軽々と、じゃなくて、計算されつくした絵のはずなんですけどね、でも軽々としか見えないのが、本当にすごい。


シンプルな内装が、またクレーの作品のよさを強調しているような気がします。白い壁には、彼の直筆の詩とか、落書きみたいな絵が大きく描かれていて、とってもいい感じなんですよ。こういうのって、一歩間違えると、ただ安っぽいだけの展示になっちゃうと思うんですけどね、ここは、幸い、大丈夫だったと思います。
常設展と、わたしが行ったときは、コブラというMovementをフューチャーした展覧会をやっていました。


このコブラというのは、まったく知らなかったですけれど、クレーの基本部分に根ざした活動で、へぇぇって面白かったですよ。
面倒だったので、あまり説明も読んでないんですけれど、要は、大人が子供の絵に回帰するって言うか、なんかそういう。クレーの絵って言うのが、言ってみたらそういう絵ですよね。子供の絵って、でも、人は大人になると描けないんですよね。このコブラは、そういうところにはまり込んだんです。
クレーは成功したけど、でも、誰もが成功する方向性ではないです。どうしても、作りこんだやらせ的ないやらしいものがにじみ出てくるんですよ。
でも、クレーは成功しましたね。その流れとしての、一筆書きのイラストなんかは、本当にかわいらしくて、愛らしくて、たまらないいとしさでした。
とにかくきれいです。あの色彩。水彩の美しさ。あんな絵が描けたら!

美術館のカフェで、スイスおなじみのデザインに出会うのでした。紅茶を飲んだら、そのセットのかわいらしいこと!


紅茶の葉を入れる容器は、カップに引っ掛けるようになっていて、ポット要らず。スプーンは、カップに引っ掛けられるひん曲がったスタイルで、なんかすべてがデザイン=美みたいな。サローネのミラノも真っ青ですよ、まったく。

Zentrum Paul Klee
Bern
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  1. 2011/07/31(日) 05:43:32|
  2. 海外旅行
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  4. | コメント:2
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コメント

No title

ベルン…懐かしい街の名前に反応しちゃいました。
えーパウルクレーの美術館ができたんですか!
私が行ったのはクマがいる公園と時計台、アーケードだけ…。
パウルクレーの絵ってどこか数学的ですよね。
  1. 2011/08/19(金) 08:20:00 |
  2. URL |
  3. さちぞう #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

わたしもつい最近まで、クレーの美術館のこと知らなかったんですよ。実は明日からスイスで、再訪します。ベルンから、イタリアに向かって南下してくる予定で、他の現代美術館周りも楽しみです。
あ、ベルンの熊は、素敵なスペースを与えられていて、昔とは全然違っています、多分。びっくりしました。街中に熊がいるっていうだけで、なんか変なのに。
  1. 2011/08/19(金) 20:47:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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