ローザンヌの町は、思っていたよりもずっと大きくて都会で、ごみごみしていて猥雑でした。中世があるとは思えないような町。でもひとつだけ、名残があるんですよ。
カテドラル。
外観は、思いっきりバロックおよびそれ以降なので、わたしの好きなものがあるとは、知ってはいても、ちょっとしり込みするような空気です。
ただ、町の一番高いところにあるので、いずれにしても、観光地としては行ってもいい場所ですけれど。眺めいいし。
ここ、起源は結構古いのですが(12世紀初頭)、その後延々と改築や拡張が続けられたので、時代が思いっきり混じってしまっています。
中はこんな感じ。
実際はもうちょっと暗めなので、厳かな雰囲気はあるものの、そして、構造的にはロマネスク時代のものを残しているのが若干見て取れるものの、いや、やっぱりしり込み系ですよね。
でも、後陣の方に、探しているロマネスクがあるはずなんです。
あ、これは?
祭壇。修復か再建か分かりませんけれど、モチーフ的には古い~。十字架のビスケット文様(今、命名)がかわいいですよ~。このビスケット文様の、盛り上がっているつやつやの線が、私は大好きなので、これだけでも、よし!と宝探しのモチベーション上がりまくり。
内陣の奥が周回廊になっているのですが、その部分に、怪しい柱頭が次々と!
このあたりは、12世紀でしょぉ。わくわく。
こんな窓枠下の装飾も、12世紀後半くらいの感じ。
なぜ、1世紀、いや半世紀くらいの違いで、こんなに好き嫌いが分別れるのか、よく分からないんですけれど、いかにも好きな時代のものを見つけると、それだけで、達成感や満足感でいっぱいになれるのが不思議。
ここは、ステンドグラスもきれいだったんですが、ほとんど見ちゃいません。どっちかというと、一部に残っていた、古い時代の磨耗していい感じにつやつやと光っている床の方に注目してしまいました。
観光客は多くて、全体にざわざわした教会ですが、でも私の好みの宝物のある内陣奥は、ほとんど人が来なくて、それもよい感じでした。
たまにはこういう宝探しも、楽しいもんです。でもやっぱり、ちゃんといかにも、のロマネスクに出会いたいぞ!それは次回。
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- 2011/10/12(水) 04:34:22|
- イタリア以外のロマネスク
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| コメント:2
なるほどぉ!ビスケットですよね(すみません、食べ物記事にとびつくやつ)
ほほう!ステンドグラスをこの角度で写す!
あたらしい
視点。
そうしたらこんなところにふるい装飾が!いいですね。
- 2011/10/12(水) 01:00:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
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ガヴィさん
食欲の秋ですからね~笑
ビスケット文様、我ながら気に入りました!
協会に行くと、古いものばかり探しちゃって、このときもステンドグラスはほとんど目に入ってなくて。この偏向ぶり、ちょっと矯正しないとまずいかも。
でも実際、ステンドグラスはきれいなんですよね。どっかの教会で、ちょうど日がさしていて、床に映った色が実に美しく、ああ、こういうのって天国っぽいよなって思ったりしました。ステンドグラスを装飾として考えた、昔の職人さんはすごい!
- 2011/10/13(木) 20:43:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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