正面からぐるりと周ると、後ろ側には木がこんもり。プラムの実などもたわわに実って、昔もこんなだったかな~と、田舎気分満喫。
正面から見ると、右側壁の奥のほうに、とっても小さい扉があり、力をこめて押すと、やっと開きます。最初は鍵がかかっていると思って、すごすごあきらめてしまったくらいです。
ここ、ずいぶんと長い時間をかけて、作られた建物なんです。今でも建物としてはかなり大きいですが、全体が完成した当時の姿は相当のもの。
この入り口から入る部分にも、もともとロマネスク時代の後陣があったようなのですが、ゴシック時代に改築されてしまったみたいです。
つまり、外観はゴシックだけど、内部にはロマネスクの様子が残っているのは、そういうことだったんですね。
いろいろと図版がおいてあったのを見て、いまさら、なるほど、と思っているところです。
中はこんな感じです。
後陣にはステンドグラスなんかが立派にはめ込まれちゃって、ゴシックなんですが、この中央身廊見る限りでは、立派なロマネスク。背の低いどっしりとした円柱が、とてもかわいらしくてよい感じでしょう。ガルダ湖畔のバルドリーノとか、こんなじゃなかったですかね。
石がすごい迫力で迫って来るタイプのつくりですが、ひっそりとした装飾も残っています。
そして、これ、いいですよねぇ。
多分、もとはもっとちゃんとした説教壇の装飾じゃないでしょうか。今は、この一枚板だけで、説教の場所になっていますけれど。それにしても、美しいです。私の大好きなビスケット文様中心の十字架。組紐。ああ、大好き。ほしい。
後陣と反対側に扉があり、今は閉ざされていますが、建物正面入り口から入るロマネスク側の入り口のスペースとつながっています。こちらの教会の床は、残念ながら、ほとんどが新しくされていたと思いますが、その扉の前にある階段、これは古いですねぇ。
こういう、大きな石の階段や床の、古びてつやつやした感じって、ビスケット文様の浅浮き彫り同様に、すりすりなでなでしたくなるほど、好きなんです。
時々、装飾に夢中になって、床を忘れることがあるんですけれども、床の質感って、建物全体の評価には欠かせないと思います。上の方に、ごてごてのルネッサンスやバロック装飾があったとしても、床が古びていると、かなり得点アップ。わたしの場合はね。
ロマンモティエ、いいですねぇ。人が少ないのもいいです。夏のバカンス・シーズンですから、三々五々と観光客は来るのですが、ちょっと村をぶらついて、教会を急ぎ足で見て、さっさと帰っていくというケースがほとんど。このゴシック側や、ロマネスク側の二階にはほとんど来ないし、来てもすぐ帰っちゃうので、独占。いやはや、幸せでした。
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- 2011/10/19(水) 04:58:36|
- イタリア以外のロマネスク
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| コメント:4
えーっ、あそこからも入れたのですか? 扉があれば全て押したり引いたり試してみるべきなのですね。
それにしてもこの説教台前飾りとでもいうのでしょうか。すばらしいですよね。 昔 何も知らなくて この手のものをここではじめて見て、今 何かすごいものを みているのだー、 と 感動した記憶があります。
- 2011/10/18(火) 23:34:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
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ykさん
扉はすべて試す!鉄則です。明らかに閉まっていても、試します、わたし。でも非力なもので、このように、開いていても開けられなかったりします…。
このロンゴバルド風彫り物はいいですよね~。本当にかわいらしくて。こういう装飾の少ない場所で見ると、格別に印象に残ります。
- 2011/10/19(水) 22:17:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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組紐の浅浮き彫りがあると、それだけでルンルンしてしまいますよ、わたし。スイスで出会えるとは思っても見ませんでした。
- 2011/12/26(月) 23:04:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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