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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

中国人の美容室

  ちょっと前から気になっていた中国人のやっている美容室。本日潜入!
 今年に入って早々、それまではミラノの中心部、ブランド品のお店が並ぶ有名なモンテナポレオーネ通りとか、アルマーニの旗艦店とかにもほんの数分で行けてしまう、ミラノらしいお洒落なゾーンにいたのが、思いっきり都落ち状態で、一応市内ではありますが、かなり庶民ゾーンへと、勤務している会社が引越ししたんです。そのゾーンを占めるのは、イタリア人ではなく、中国人、南米人、アフリカ人。お店も、そういう外国人がやっている各国料理レストランとか食料品店などがすごく多くて、ちょっと異様な雰囲気もあります。
 そこで、目に付いたのが、中国人の美容院。こちらでは、大抵表に料金が書いてあるのですが、その中に、「シャンプー+カット+ブロウで、8ユーロ」とありました。8ユーロ?一瞬目を疑いました。
 ちなみに、私がこのところ何回か通った美容院の料金は、同じセット料金で、40ユーロ。全く普通の全く地味なアパートのそばにある美容院で、下手とは言わないけれど、特にすごくうまいわけでもなく、すごく感じがよいわけでもなく、ただ近いから行っていただけ。そもそもそれ以前はこっちの美容室が嫌いで、一年に一度、日本に帰ったときに行くだけだったんですよね。日本の美容室は本当に気持ちよくて、多少お金を払っても満足できますから。
 そんな私ですから、8ユーロに注目したのは当然です。そういえば、この辺に住んでいる人が、ずいぶん前に、中国人の美容室を試したと言っていたような記憶がよみがえってきました。早速当人に聞いてみると、「今も行ってるよ!もうお客様カードも持ってるし。」というので、それなら私も試してみようと思った次第です。
 お店は、昔の床屋さんを使っていて、外装も内装もかなり古いままで、おしゃれ感は全くなし。でもカット台は、6台もあります。そのわりにシャンプー台は1台。入ったときには、カット台にお客さん二人、シャンプー台に一人という状態でした。待合室みたいな隅っこに椅子がいくつか置いてあり、何をしているのか分からない人々がいます。お店の人たちは皆若い中国人で、どうやらイタリア語はかなり片言レベル。そこらで待っとけ的なことをいわれたらしいな、と検討をつけてあいている椅子に座りました。そしたらシャンプー先客の人は5分ほどで終了し、「君、シャンプー」とかつぶやかれたので、私の番ということだろうな、と推測してシャンプー台へ。居心地よくはありませんが、イタリアの美容室で居心地のいいところなんてそうそうないので、特に気にならず。ちょっとお湯がぬるかったけど、おそらく言葉は通じないので、黙っていました。シャンプーは、安そうな匂いだったけど、8ユーロだからこんなもんだろうな、とリラックス。しかしまだティーンエージャーにしか見えない男の子は、かなり丁寧に洗ってくれます。最近行っていた美容室よりは、確実に丁寧に、時間をかけて洗ってくれました。
 終わると、煮しめたようなタオルを巻かれ、カット台へいざなわれました。煮しめたような、といっても、決してくさいとかではなく、見た目が、もう何十回となく洗っている様子がありありの、へなへなになったタオルです。
 さて、カットは、なんとシャンプーの男の子がやるようです。うへぇ~、大丈夫?って感じ。「カットね、カット、この辺。」と大体示しましたが、どうもあまりコミュニケーションする気はないようで、「ここ、カット」となんだか馬鹿みたいなリアクションで、やおら切り出しました。おお、クリップで留めたりとかそういうの一切なし?潔い~。一気にジャクジャク切って、あまり細部にこだわらず、あっという間にカットは終了。ブロウに入ります。しかしブロウはかなり丁寧で、クリップで留めたりして、右から左から、しっかりやってくれました。最後に、飛び出たりしているのをちょんちょんと切って、ハイ、終了。髪よけの肩掛けをはずしたのが合図で、いいもなにもなく、強制終了です。美容師君は、すぐにお会計カウンターに行き、携帯でおしゃべりを始めています。私は、切った前髪が、全部顔に引っ付いていたので、鏡を見ながら、自前のハンカチ、ティッシュで、一生懸命髪を取っていたんですけどね。僕ちゃん、かまわず携帯。
 そんでお会計。20ユーロ札を出したら、きっちり12ユーロのお釣り。明朗会計です。東京で一度、表に4000円とあったのに、実際は6000円以上取られたことがあって、あなたは髪が長かったから、とかわけの分からないことをいわれたことがありましたが、中国人はきっちり、看板に偽りなし。ただし、領収書はなし(イタリアはインボイス主義なので、お釣りがなかろうがなんだろうが、必ずレジを通して、レシートや領収書を出す義務ありで、出さない場合は、脱税しているということ)。でも8ユーロじゃ、絶対文句言えませんし。
 本当は、もうちょっと切ってほしかったんだけど、40ユーロ取る美容院だったら、ほとんど終わっていても、あと2センチ切って、といったと思うんですが、っていうか、普通、どうですか、とか美容師が聞くし。でも、8ユーロじゃね。
 いやはや中国人恐るべし。安いからって、冷凍ギョウサとかは買えないんですが、髪きりだったらいいよねぇ。帰ってきて、髪の毛があちこちに引っ付いてちくちくするけど、8ユーロの前には、すべてがOKとなってしまいます。他にもいくつか同じお値段の店が、そこらにいくつもあるので、次回は違うところを試してみようかと思います。しかしそういえば、お客は、イタリア人や南米人、いずれもビンボーそう、という共通項がありましたが、中国人は来ていなかったですねぇ。中国人は、どこで髪を切っているのだろう?
 ミラノって、今の日本ではおしゃれの代名詞みたいなとこありますが、実際はこういう世界もありますということで。

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  1. 2008/06/12(木) 05:16:48|
  2. ミラノ徒然
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  4. | コメント:1
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コメント

No title

私もいきました!!変身成功!!
  1. 2009/12/07(月) 03:35:00 |
  2. URL |
  3. soprano sportivo #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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