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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ展覧会

最近、すっかりサボっている展覧会めぐり。
というのも、夏休み開けて、そろそろ復帰しないと!と思っているうちに、一時帰国となり、時間がなくなっちゃったからなんです。
展覧会は、定期的に通っていると、ギャラリーや美術館で情報を入手できるので、継続的に行きやすいのですが、しばらく行かないと情報がなくなるので、どこに行くべきなのか判断しにくくなる悪循環に陥るんですよねぇ。
実は、エレファント・パレードがミラノに来ていて、多分2ヶ月くらいやっていたはずなんですが、ちょうど、忙しい時期に重なっていたんです。今日行かないと、もう見られない!と、めったに町に出ることのない週末、無理やり出かけたんです。
そしたら、勘違いで、もうとっくに終わっていました…。
一時帰国のとき、マルペンサ空港で2体見ましたけど、まぁ、カウ・パレードの二番煎じ感は否めなかったし、どうしても見たかったわけではないとはいえ、野外アートって基本的に好きなので、やっぱり残念でした。

そのとき、せっかくなので、ドゥオモ脇のパラッツォ・レアーレで、二つばかし展覧会はしごをしました。


まずは、宗教入ってますが、La bellezza nella Parolaという展覧会で、古いものから新しいものまで、キリスト教について書かれたもの、描かれたもの、そういうコレクション。
たとえばこういうもの。


6世紀の終り頃のものなんですが、説明文を読んでびっくり!ロマネスクや中世めぐりではおなじみの、法皇グレゴリオ、蛮族ロンゴバルドをカトリックに改宗させるという偉業をなした、キリスト教の歴史上で最も偉大な法皇の一人ですが、これは、改宗の糸口となったロンゴバルド女王テオドリンダに、法皇から送られた福音集の表紙らしいです。本物の宝石、黄金。いやはや、歴史です。
もうちょっと時代が下ったもの。


こちらは9世紀のもので、アンブロジャーノ起源の宗教儀式についての教典みたいです。20世紀の初頭まで、誰からも省みられていなかった書物だったということ。そういうのを発見する研究者は偉いですよねぇ。それにしても、昔の人って、手書きなのに、なんて美しい文字。すごいです。
こんな歴史的なお宝がずらり。
キリスト教そのものに興味があるわけではないのですが、ロマネスクを探求する過程で、やはり避けては通れないので、多少の知識はできて、そうなると、今までスルーしていた物まで、興味が湧いてくるのは、なんだか面白いです。

さて、もうひとつ。いきなり時代と飛び越えて、現代。
ロベルト・チアッチョというイタリア人現代作家のインスタレーションです。


作品そのものは、ふーん、程度だったのですが、この王宮の大広間という場所が、作品に不思議な味付けをしているって言うのか、なんとも言えず面白い効果を生んでいました。


中央にはピアノが置かれ、演奏会も開催されたようです。このような場所で聴く音楽。それがクラシックであっても、現代物であっても、それなりにしっくりしてしまうんだろうなと思います。ちょっと聴いてみたかったですね。

例によって、どちらも無料なので、ご興味があれば是非。
La bellezza nella Parola until 22/12/2011
Roberto Ciaccio - Inter / Vallum until 20/11/2011
Palazzo Reale, Milano
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  1. 2011/11/21(月) 06:17:23|
  2. アートの旅
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

いつも、拝見して思うのは凄い!の一言です。
それと、説明する文章もです。
実際その場にたったらももっと凄いだろうと思います。
  1. 2011/11/21(月) 01:05:00 |
  2. URL |
  3. Takumi #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

あらまぁ!キリスト教についての展示会が興味深いです。

解説がわからないとなんだろう?ってことになりますが
行ってみたいです。

日本の展示会のように人の行列で疲れることがなくよいかんじですね。
  1. 2011/11/21(月) 01:35:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Takumiさん
過分なお褒めを頂き、ありがとうございます。
こちらの展覧会は、多くのケースで、古い建物を使う場所が多くて、そのミスマッチは、日本ではなかなかないものかもしれません。お寺で現代音楽のコンサートをやるとかそういう感じかな。
  1. 2011/11/22(火) 21:51:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
確かに解説が分かるか分からないかで、面白さが俄然違ってきますよね。実は私も、後からじっくり読んで、ひぇ~と思ったんです、笑。
こちらでも、印象派とか人気の展覧会は人の波になりますよ、やっぱり。私がそういうの苦手なので、あえて行かないだけで。で、人の来ないところばっかりうろうろしてます。
それにしても、こういう古い工芸品は、やっぱりすごいです。6世紀とか言われちゃうと、それだけでぐっと来ちゃいます。
  1. 2011/11/22(火) 21:53:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

高尚で、けだかくて、避けていました美術、
お邪魔して、成る程と勉強になりましたぁ。
機会をとらえて、行って見ましょう、
挑戦意欲を失うと、痴呆症が訪れる
予感がしますから・・・ (笑)

☆☆☆で~す。
  1. 2011/11/23(水) 20:24:00 |
  2. URL |
  3. 常夜灯 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

常夜灯さん
現代美術の敷居が高いって感じでしょうか。だって、美術は、常夜灯さん、常に素晴らしいハイ・レベルのそれに接していらっしゃるわけで。
あ、逆にヨーロッパ古代かな。
もしご興味を持っていただければ、とってもうれしい。特に、常夜灯さんの世界とはかなり隔たる現代。これはもう、面白いかそうじゃないか、だけですから!
って、言い切るような立場にあるわけじゃないですけれど、でも、面白いものはとても面白いんで、是非近寄ってみてください!
  1. 2011/11/25(金) 22:15:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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