ヴェローナのドゥオモ、続きです。
右扉から、後陣の方に回り込みます。
縞々の黄色の部分、多分、凝灰岩ですかね。後陣の円形部分は、ほとんどこれ一種類で、薄黄色。修復の結果でもあると思うのですけれど、オリジナルはもうちょっといろいろ混ざっていたのじゃないかな~、と思います。
というのも、脇の方は、一見凝灰岩だけに見えるけれど、実は、微妙に色の異なる石が混ざっているのです。
すべてを計算したわけじゃないと思うのですが、そして、ただの四角い切石積みなのに、びっくりするくらい美しいものです。
後陣は、その軒送りが特徴的。
すっごく繊細な浅浮き彫りが、びっしりと帯状に配されているんです。背が高くて遠い!肉眼では、つる草模様を認識できる程度です。6倍ズームでもやっとこんな感じ。
せっかくなので、ちょっとアップ。付け柱の上の柱頭装飾も、なんだか独特でかわいらしいんですよ。
帯部分は、つる草の中に、葡萄房や、動物がはめ込まれています。動物の感じは、ちょっとポンポーザも彷彿とするような。正確な時代は、調べないと分からないのですけれど、葡萄房の表現力とかから考えると、全体としては12世紀後半って感じ?
この軒下の帯状浅浮き彫り、実は、ヴェローナ・シリーズの最初に紹介した、サン・ジョバンニ・イン・バッレ教会にもあったんです。
これ。
タイプは同じなんですが、動物モチーフを比べると、明らかに違う手なんです。サン・ジョバンニの方が、時代が下る感じです。
いずれにしても、とても美しくて、後陣が一気に優美さを増すというか、洗練されるというか、あるとないじゃ全然違うっていう装飾です。こういう帯状浅浮き彫りって、他でありましたっけ?
軒下の装飾ということで、たとえばルッカのサン・ミケーレを思い出しますけれど、あれは象嵌みたいな技術なのでタイプは全然違いますけれども。
続きます。
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- 2011/12/21(水) 05:41:24|
- ヴェネト・ロマネスク
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