ドゥオモ、ファサード。
右脇の扉周辺装飾は、とってもロマネスクですが、正面は、ファサード全体ゴシック以降の香りの方が強くて、ちょっと近寄りたくない気持ちになります。
とはいえ、扉周りの装飾には、ロマネスクの名残も見られるのでした。
側柱に、仲良く並んだ、多分預言者たち。
でも私が好きなのは、こういう変なものたち。
ちょいと磨耗が激しいですが、ドラゴンですよねぇ。結構写実的な感もあるので、この磨り減り状態がちょうどよろしいかも。
タンパン。
なんせ高い場所にあるので、肉眼ではあまりよく見えなかったんです。彩色もあるので、相当時代の下ったものかと思ったんですが、写真であらためて見た感じとしては、13世紀ごろ?もしくは12世紀終りとか?
中央に玉座に腰掛けた聖母子。右にマギの祝福、左は羊飼いへのお告げ(でしたっけ?)。今は水色だけですが、もしかしたら全体色つきだったような。そうなるとちょっとアジア・チックですよね。大体この水色が、後付と思うのですが、変にアジア・チックな水色…。
実は、右扉に加えて気に入ったのは、ファサードや側面の一部に帯状にはめ込まれている浅浮き彫り装飾です。
たとえばこんなの。
職人さんと、植物。表現は、後陣軒下同様に、つる草の中に、動物や人のフィギュアが描かれているというものです。ドラゴンなどの幻獣や、雄鶏、鹿、ウサギ、物語の一場面のようなシーンもあれば、狩の場面もあり、とても装飾的な葡萄の房、とてもバラエティーに富んでいます。後陣にある帯装飾は、あまり遠くて細部が見えませんでしたが、きっと同じ職人さんの手で、同じようなモチーフが見られるのではないでしょうか。
壁へのはめ込みは、ファサードの下部の方の横一列、そして右壁のほんの一部に一列あるだけですが、もしかすると、もっとたくさん並んでいたのかもしれません。かわいかったでしょうねぇ。
さて、ドゥオモを訪問したのは、右扉の装飾を撮影したかったのと、前回訪問できなかった古い教会のためです。ドゥオモ内部から、かつて洗礼堂として使われていたサン・ジョバンニ・イン・フォンテ教会にアクセスできることになっています。初期キリスト教時代のモザイクや、柱頭があるらしいんです。加えて、これまた古いサン・エレナ教会にも、ドゥオモからアクセス可能ということで、大変楽しみしていたんです。
今日は早仕舞いと言われたので、ランチを我慢して駆けつけたのも、そのためだったんですが、なんと!ドゥオモ本体以外は、公開は夏季だけ、ということであえなく敗退…。
ここも、共通チケットで、安いといいながら入場料を取るんですが、目的にアクセスできないのに冬季も夏季も入場料が同じって、なんとなく釈然としないし、受付のお姉さんに、つい恨みがましく、「でも冬季は非公開なんて、どこにも書いてなかった…」とぶつぶつしましたけど、勿論取り合ってくれませんでした。
共通チケットの場所ほど、本来の教会の機能を忘れちゃってる感じで、やっぱり良し悪しですよね。
大体ヴェローナは、ネット・サイトがたくさんあって、教会のオープン時間やミサの時間などの情報が結構集めやすいんですけれど、必ずしもアップデートされていないんですよね。最新じゃない情報って、実はあるだけ毒みたいなものです。
というわけで、ここは夏にまた行かないと行けません。この町は、いつも何かしらあって、何度行ってもコンプリートできそうもない気がしてきました。
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- 2011/12/23(金) 06:09:27|
- ヴェネト・ロマネスク
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| コメント:4
変な者たちが好きと言われるcorsaさんがすき。
ところで、どらごんは,あくまが形に表わされているのでしょうか?
- 2011/12/23(金) 07:31:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
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ガヴィさん
こんにちは~!
ドラゴン、きっと悪の化身でしょうねぇ。サン・ジョルジョが成敗するのもドラゴンですよねぇ。でも、ロマネスクのドラゴンは、たいていどこでも、愛らしくって、とても悪の化身に見えないんですよねぇ。
- 2011/12/23(金) 22:28:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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