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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

お正月休暇 その3

このところ毎年恒例の東京下町散歩。今回は、両国です。駅前の国技館は、初場所を控えていたので、美しいのぼりが立ち並んでいました。


着物にも通じる日本的なこういった色彩は、めちゃくちゃ派手なのに、なぜかしっとりと落ち着いていて美しいんですよねぇ。スポンサーの永谷園も、歌舞伎っぽくていい色です。
この近所には、いくつか相撲部屋もありますが、初日間近だったせいもあるのか、うろうろしているお相撲さんがほとんどいなかったのは残念でした。相撲部屋といっても、近代的なビルだったりします。
そもそも、この両国という町には、もはや古い家はほとんど残っていないのですね。おそらく道だけはほとんど昔のまま、というような通りに沿って、立て替えられた小さいマンションやアパートが無秩序に並んでいるだけの、かなり無機質な町並みで、お店も少ないし、町歩きの面白さには、欠けるかもしれません。
とはいえ、所々に、昔からのせんべい屋さんがあったり、家内制手工業の縫製工場の軒先に「なぜこんなに安いんだ?」的な洋服を売っていたり、同じ東京でも山の手とは大いに違う景色に出会える面白さはあります。
これは、お相撲さん向け超デカサイズ専門洋品店。名前がいいですよね。ウィンドウには超デカパンが堂々と飾られていました。



すぐ近くの東京江戸博物館にも、久しぶりに立ち寄ってみました。


今年の大河ドラマ平清盛関連の展覧会をやっていましたが、時間があまりなかったので、常設展だけ見てきました。以前とはかなり内容が変わっていて、楽しかった!落語・時代小説好きのオヤジ志向なので、江戸文化にはかなり親しみを感じるんです。

落語といえば、ここには有名な回向院があります。
このあたり一帯は、大火で消失して、お寺周辺は火除け地だったところ。落語「野晒し」の舞台だったような?
それが今じゃこれ。


周り中マンション。井戸底状態で、古い石碑も何もかも、見下ろされています。
ここには、鼠小僧のお墓があるんです。何でも歌舞伎や狂言で取り上げられてすっかり有名になってしまって、本来犯罪者のお墓を作ることは禁止されていたのに、庶民の祈願対象として、供養墓が立てられたんだそうです。
お墓の前に、欠き石と呼ばれる石が置かれています。この石を財布に入れたり身に着けていると、金回りがよくなったり、持病が治ったりするんだそうです。
鼠小僧のお墓以外にも、狭い土地にみっしりいろいろ立っていて、ここでもよく観察すると、かわいらしい彫り物が見つかります。

すぐそばに、吉良邸跡があります。


跡といっても、当時の玄関にも満たないくらいの小さい一角がそれらしく残されているだけなんですけども。あんまり狭いので、ちょっと人が入ると満員状態で、何がなんだか分からないスペースになったりします。すぐ脇には、かなり年季の入ったアパートの裏側が見えたり、当時のお屋敷を想像するのはほとんど無理。

その他、このあたりで生まれ育った(とは知りませんでした)芥川龍之介の文学碑があったり、勝海舟生誕の石碑があったり、やっぱり由緒正しい土地なんですね。そりゃ、今でこそ下町ってくくりですが、江戸時代は中心地に近かったわけですもんね。
歴史を感じられるって言う意味では、やはり下町は面白い。

夜は、お蕎麦屋さん飲みしました。とてもおされ~な、蕎麦屋さんというよりもバーみたいなたたずまいのお店で、お料理も器も美しくておいしくて、勿論お蕎麦もたっぷりで、大満足。正直、両国とは思えない、なんて言ったら両国の人に怒られそうですけども。

鬼が笑うにも早すぎますけど、来年はどこに行きましょうかね~。

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  1. 2012/01/19(木) 06:19:32|
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