前にも書いたと思いますが、とても古い家なので、間取りも独特だし、窓が二方向(東西)に開いていて風が吹き抜ける構造だし、そしてもっとも大きな特徴のひとつは、天井が高いということです。こちらの家の、平均的な天井の高さは、おそらく2.7から3メートルくらい。そして、わたしの新居は、もともと3.3メートルですから、相当高いです。
実際、初めて見たとき、とても広いゆったりした印象を受けたのは、そのせいだったのです。天井が高いから、窓も背が高い。それはお気に入りのポイントでした。特に、公園に向けて、バルコニーのある部屋は、その高さゆえの開放感がすばらしかったのです。
でも、空間を活用するため、まず玄関の天井を下げて、大きな天袋を作りました。玄関入ってすぐ、たいした空間ではないけれど、高い天井があるのは、とてもいい感じで、本当のところ、残念でもあったのですが、やはり収納場所は絶対に必要なので、譲歩しました。そして、出来上がりつつある天袋は、なんだか秘密基地みたいで面白いので、幸い気に入っています。
そして、それ以外のすべての部屋には、棟梁の絶対のお勧めで、Controsoffittoがつけられました。
これは日本語だと何というのかな?要は、実際の天井に金具を打ち込んで、メタルの支柱を張り巡らして、軽い素材の天井板を張り渡して、本当の天井の下に、もう一枚天井をつけるというものです。特に古い家だと、すぐひび割れ等しやすいし、天井を直すのは大変だし、また特に美的観点から、このように新しい素材で張りなおせば、水平のものが出来るので、最終的な仕上がりがよろしいということらしいのです。多分その通り。また湿度などで、部屋の隅っこの方が、黒くかびっぽくなったりすることがよくありますが、この天井なら、おそらくそういうこともありません。本来家には屋根裏という構造があるのですから、多分構造上も正しい措置なのでしょう。
もともとの天井から、10センチくらい下がるだけといわれていたので、それでも3メートル以上あるし、オーダーしようと思っている寝室の箪笥もばっちり納まるので、特に気にしてなかったのですが、その工事が今週早々終わったというので、早速見に行きました。
第一印象は、
あれ?低い!
特に、家の中で最も広い空間である居間は、イメージがかなり変わった感じ。
寝室は、そう下がった感じがないし、実際、職人さんがいるときに確認したら、12センチ下がって、現在318メートルほどあるということだったのです。寝室は、310センチほどの箪笥を入れる予定なので、気になって確認したのですが、居間は同じだろうと思って聞かなかったのです。でも、どう見ても低い。よ~く見たら、やっぱり、寝室より下げています。
(新しい天井)
(以前の状態。部屋の四隅がカーブしている状態で、窓の枠よりも相当上に天井のあるのが分かります。)
写真で見比べると、寝室は、ちょうど前の家ではあった茶色の線がある辺りまで下げたのですが、居間の方は、それよりもさらに低い位置に天井が作られているのがわかります。
まぁ、漆喰など塗ってきれいになれば、また印象も変わるでしょう。下げたとは言っても、実際まだ十分高いのですし。
ちょっとクヨクヨして帰宅して、改めて今住んでいる家の天井を見たら、ひ、低い!やはり相当低い、というか新居はそれでもかなり高い事実が分かりました。で、なぁんだ、じゃあ、いいじゃん、と元気回復。
今日もまた、朝からいろいろ用事の片付け。午前中は、郵便局とブリコ・センター(日曜大工センターのような店)。通いなれて、毎度迷っていた帰り道も、さすがに覚えたようで、今日は15分で帰ってこれて、われながら感動しました。そしてあわただしくランチを済ませた後は、もうちょっと郊外に出て、イケア・レベルの家具の大型ショップ二軒。グラン・カーサと、エンメルンガという、どちらもイタリア全国に店舗を構える大きな総合家具店です。
家具は、モダンからクラシックまでそれなりにそろえているのですが、サイズ等の融通が利かないので、やはりイケアだな、と納得。グラン・カーサの方には、日曜大工センターのような店(グラン・ブリコ)と、家電の店が併設されていて、もう相当疲れていたのですが、やはりこの機会に見ておかねば、とがんばってチェックを入れました。
チェックしてよかった!
このところ、ずっと探していた、扉用のレバーを見つけたのです。
新居には、古いタイプの扉が、玄関から居間、寝室、台所、浴室へと4つあります。その上に、寝室の物置もありますので、合計5組のレバーが必要です。
どれも同じようなドアで、同じようなしんちゅうの安っぽいレバーがついていました。ドアは、古臭い分レトロっぽくて、結局、ペンキ塗りなおしをして、そのまま使うことにしたのですが、レバーはあまりに古いので変えたいと思っていました。でも、これがいいのがないんです。ちょっといいな、と思うと、一組で50ユーロ超もしたり、安いものではありません。それなら、とりあえず安いものを付けといて、将来的にいいものに変えればいいじゃん!と思いついたのですが、安いタイプだと、サイズが合わず、何度もブリコとカストラマで思案した挙句、まだ買えていなかったのです。
(もともとついていたレバー。写真だとそれなりにきれいに見えますが、相当古びていてきちゃない。)
(すごい安物。アンティーク仕様にしているところが、ますます安物っぽいけど、いいんです、安かろう悪かろうでも、今は節約第一!)
そして、この全然期待してなかった、というか、存在すら知らなかったグラン・ブリコで、おお、これは、というのがあったのです。その、おおこれは、というのは、ほとんど値段部分に対する感嘆。というのも、これまで、まぁこれならいいや、と思える中で最も安かったのが13ユーロだったのが、これはたったの8.8ユーロだったのです。それに、一応見た目はレトロっぽいし、なんと言っても、サイズはばっちりです。4組しかなかったのですが、まぁ、寝室の物置分は、別途考えることにして、とりあえずヨシヨシ、と四組購入。当初は一組28ユーロのを買うしかないだろうなぁ、と思っていたので、相当節約が出来ました。レバーについては、自分でも交換できそうなので、将来的に、お気に入りを見つける楽しみも残り、それはそれで、楽しいことです。
毎週のように、あちこちうろついているわりには、本当に何も買えず、空手で帰宅することが多いのですが、そういうわけで、久しぶりに荷物を持って帰宅で、なんかうれしいわたしなのでした。レバーくらいで、と思われるかもしれませんが、四組ともなると、結構な重量なんですよ、実際。
来週は、いよいよ箪笥とベッドなどをオーダーし、台所のシンクなども購入予定。もう、口座の残金を見るのが怖いくらいの毎日になりつつあります。その分、それ以外は何にも買ってませんけど。今日も、ちょっとショッピング・センターを見て、70%引きのお店を見たりしたのですが、とうとう、10ユーロのシャツすら手が出ませんでした。もう財布の紐、家以外のことでは、ちょっとやそっとでは開きませんよ!
おまけです。
天袋の扉がついていました。最終的にどういう感じなのかな。穴ぼこぼこの壁だったのが、もはや嘘のようです。
工事の進展を見ていくのは、楽しいことですね!
(天袋の扉)
(穴ぼこぼこの工事中)
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- 2009/02/22(日) 07:38:08|
- ミラノ-不動産の話
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実は私、このcontrosoffittoが相当気になって、この正体を見極めたく、待ち焦がれておりました。
我が家はもちろん天井はそのままです。なんせムラトーレ雇ってませんから(爆笑) 当時、私は夫と高い高い梯子に登ってミケランジェロの偉大さを思いながら首の疲労の限界まで汚れ落とし、ひび割れた部分をストゥッコで補強、アンティムッファを塗り、その上でペンキ塗り、と過酷な日々でした。
あの苦労をして貰う代金よりも、釣り天井をした方が楽で稼げるのは明らかです。しかも新築同様の仕上がりになるのですから彼がcontrosoffittoにこだわるのは当然だったと思います。
プロのこだわりに付き合うとお金ってかかるんですよ。。。
最後に、ベランダに出るこの窓、フローリングにすると少し上げないと開かなくなると思いますが、窓サッシからすべて変えるのか、アネッロを入れて済むのか、窓の下を削るのか、とても楽しみにしています!?
- 2009/02/22(日) 21:36:00 |
- URL |
- omuro #79D/WHSg
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そういうことか。でもまぁ見積もりに入っていたのだから、それはそれでいいか。大体他にもらっていた見積もりは、その辺も全然ちゃんとしてなかったから、そういうとこに頼むと、何の処理もなく上塗りしてお仕舞いって感じでごまかされるんでしょうね。
床は、もともと張られていたタイルをはがしているので、居間は大丈夫なんです。問題は、タイルをはがしていない玄関のほう。玄関は勿論Porta brindataですけど、削るのか?うーん。
- 2009/02/23(月) 17:53:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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