先日訪ねたロッビオは、一応ロンバルディア州なんですが、ほとんどピエモンテとの州境で、行くにも帰るにも、ピエモンテとの州境と行ったり来たり、という土地でした。というわけで、ミラノへの帰り道に、これまで取りこぼしているピエモンテの超マイナー・ロマネスクを訪ねてみました。
まずは、ヴェスポラーテにある、洗礼者ヨハネ教会(Vespolate Chiesa di San Giovanni Battista)。
こうしてみれば、あれ、ちょっといい感じって思われるかもしれませんが、もうそれはそれは修復されまくりで、ロマネスク当時の香りなんて、一切ないですね~、ここ。
多分、これだと思うんですけれど、実は、教会の名前すら掲げられていないので、100%自信はないんですけども、でも、場所的には、これしかあるまい、という場所にありますので、多分これ。
内部には、一応中世以降のフレスコ画が残されているらしいのですが、外観は、ほとんど100%中世以降のもの。コンクリートで再現されたロマネスク様式なんて、こんな哀しい姿はありませんよ。
中世およびそれ以降のフレスコ画が残されているということだったので、後代に空けられたらしいファサードの窓部分から覗いて、写真は撮ってみました。
完全にルネッサンスの作品ですが、もしかすると、それなりに名のある人の描いた、見栄えのいい作品かもしれません(ちょいとクリヴェッリ風)。縮小したこの写真では、ほとんど分かりませんけれどもね。
でももっと哀しい気持ちになったのが、教会の構造そのものが、もうほとんど中世の名残なく、ファサードなどもコンクリートの味気のない姿になっているにもかかわらず、「盗難防止の設備があります」という警告的ノーティスがあったこと。現役でもなくて、おそらく外観的には誰も評価もしておらず、教会であることは確かとはいえ、ミサが行われることもない教会で、過去の、もしかしたらそれなりの遺産かもしれないとはいえ、デイリーベースでは、おそらく、誰も評価していないフレスコ画のために、盗難防止アラーム。さびしいです。
次に、道なりに向かったのは、ソッツァーゴのサン・シルヴァーノ教会(Sozzago, chiesa di san silvano)。
これもびっくりしました。町の入り口にあったので、すぐに教会前に車を停めたのですが、どう見ても中世の雰囲気がないので、これは違う、と思って先に進んで、でも結局あそこらしい、と、あらためて引き返したのですけどね。
それにしても、もう全然何もなくて。
確かに事前に調べた範囲でも、「翼廊の一部だけが中世の名残をとどめている」とはあったのですが、でも、ここまで現代化しているとは、ちょっと想像していなかったので、にわかには信じられず。唯一好感がもてるとすれば、日曜日のミサに、人々が三々五々集まっていた事実でしょうか。
やはり同じ地域と思って向かった次は、チェラーノのサン・ピエトロ・アル・チミテロ(Cerano、Chiesa di San Pietro al Cimitero)。 チェラーノ?なんだか知っている気がするな~、と思いながら道を進み、途中から、かなり確実に、訪ねたことがある、あの場所だろうな、と思いながらたどり着きました。
アクセスの道は全然違ったので、最後まで、もしかしたら違うかも、とも思っていましたけれど、実際にたどり着いたら、やっぱり、あそこだろうと思っていた教会。昨年夏に、アメリカから友人が遊びに来た際に、田舎においしいご飯を食べに行こう!と出かけて、その帰りに、ちょっと寄ってみよう、とよった教会ですよ。
そのときですら、ああ、ここは修復激しいし、無理に来なくてもよかったわ、という場所だったのに、まさか再訪になるとはね。
ファサードに開けられた窓から中を覗いてみたら、中はレンガ造りで、ファサードの漆喰塗りこめ殻言えば、それなりにいい感じでした。そういえば、前回も閉ざされていたんです。それにしても、半年周期で戻ることになるなんて、なんだか。
ロッビオは、それなりに楽しいロマネスクめぐりだったのですが、ついでに周ったピエモンテは、これまででも最悪といえるくらいに、収穫の少ない旅となってしまいました。是非、近々リベンジしたいと思います。
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2012/03/17(土) 07:44:46 |
ピエモンテ・ロマネスク
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