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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブリアンツァ その1

ミラノ北部に広がる、ブリアンツァ。ミラノとコモ湖の間、丘と谷の連続する起伏の激しい土地で、場所によってはかなりの山中という印象も受けるような土地です。
谷を縫って道があるので、やたらとくねくねしていて、方向音痴の私にとってはかなり厳しい土地。
とはいえ、この地域には、実にマイナーで知る人ぞ知る、というよりも、ほとんど誰も知らないようなロマネスクが点在しています。制覇するには、結構時間がかかりそうです。

今回第一弾は、マリアーノ・コメンセMariano Comense。
こんな町、初めて知りました。
カーナビのおかげで、旧市街の入り口まですいすいとたどり着き、びっくりするくらいに首尾よく路肩に駐車もできました。
日曜日の朝だというのに、やたらと人が歩いていますので、教会の場所を尋ねて、そちらに向かいます。
こっちからでもあっちからでも、同じ場所に出るよ、と言われたので、人の少ないこっち側を行くことにしました。



細い小路に面した住居は、どれもこぎれいに壁塗りなどしていてさほど古い印象はないのですが、この、大きくカーブする道は怪しい!過去に運河とかお堀とかがあったのではないかな~、と思われます。おそらく、町の起源は古くて、城壁に囲まれていた時代があったのではないでしょうか。
そう思って歩くと、こういう道は楽しいものです。あっという間に終わってしまいましたけれど。
たどり着いたのは、町の中心地。
どっかーん、と堂々と新しい教会が建っています。



すごい人出の向かう先は、この教会だったんです。ちょうど、あとしばらくでミサが始まるというタイミングだったのでしょう。とにかくびっくりするくらいにたくさんの人が、次々と足早に集まってくるのでした。

私の目的は、勿論こんなバロック様式の建物ではありません。洗礼堂があるはずなんですよ。手前にあるあれ?と近寄ってみたら、確かにそうらしい。
洗礼者サン・ジョバンニの洗礼堂。Battistero di San Giovanni Battista



でも上部は完全に再建で、古そうなのは、下の部分だけ。大きな石積みで、軒送りのアーチと付け柱がとってもよい感じです。でもこの部分すら、修復の後がかなり激しいですね。


多くの部分に漆喰が使われています。おそらく相当傷んでいたものを修復したのですね。何もそこまで、という感も抱きますが、なぜそこまでしたかといえば、この洗礼堂、起源は11世紀と古く、内部には建設と同時代の古い柱頭等が残されているそうなんですよ。その重要性のために、修復がされたのだと思うのですが、その割には説明版なども一切なく、写真をとりまくる私を、町の人々は不思議な顔をしてみていました。ほとんどの人が、そういうことは知らないんでしょうねぇ。

残念ながら、扉はクローズ。
ミサが始まりそうな時間では、教会の人にも頼めませんし、あっさりあきらめ、潔く引き上げました。
教会は思いっきり現役だし、お隣だし、いつかミサのない時間に行ってみようと思います。雰囲気としては、教会で簡単に鍵をもらえそうな気がするんですよ。
ところで今回、扉はかなり新しくて、そうなると、無用心な大きな鍵穴なんかもなくて、得意の鍵穴撮影もできませんでした。残念!

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  1. 2012/03/20(火) 05:33:38|
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  4. | コメント:2
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コメント

No title

大きくカーブする道から、過去に運河や堀があったのではないか?
と推測されるcorsaさんは、やはりたくさんのイタリアの街を
見てらっしゃるからですね~♪
スゴイ!

小さな街のカワイイ建物。
写真見てるだけで私も行きたくなります☆彡
  1. 2012/03/20(火) 06:02:00 |
  2. URL |
  3. chelsea #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Chelseaさん
こういうなんでもない田舎の、なんでもない旧市街って、割と好きかも知れません。大げさでなく歴史があって、生活があって、観光的にはほとんど何もなくて、ただ町の人たちがぞろぞろ歩いていて。
ロマネスクの遺構がある町は、たたずまいのよいところが多いように思います。
  1. 2012/03/21(水) 22:11:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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