第二弾は、カルーゴCarugo、というよりも、その町外れの山の中にあるサン・マルティーノ教会Chiesa di San Martinoを目指しました。
ここ、すごかったです。
カルーゴの町は、街道沿いにちょっと広がっているような中心も何もない町で、どこに何があるのか皆目分からず、しばらく同じ道をぐるぐる。
で、大きな教会の姿が見えたので、新しそうだけど、もしかしたら中に何かあるのかと思い、車を停めました。
でも、まったく違う教会だし、サン・マルティーノの情報も見当たりません。
日曜の午前中、ほとんど人も歩いていない中、ちょっと離れた駐車場で、車に乗ろうとしているおじさんを発見したので、あわてて駆け寄って、尋ねてみました。
が、「僕地元じゃないからなぁ、これがそうじゃないなら、他には教会って思いつかないなぁ」、と首をひねりながら、ちょうど、前の道に停車した他のおじさんに、いきなり尋ねてくれました。ちょっとこわもての人だったのに、なんだかとっても親切。
今度の人は、地元の人で、「それは、こういってこういった場所の山の中だよ」、と教えてくれたのですが、私にはさっぱり。最初のおじさんが、「それなら僕の帰る道の途中だから、車で着いてくるなら途中まで先導するよ」、と言ってくれたので、あわてて車に乗ってきて、おじさんの先導についていったのでした。
どんどん町を外れて、立ちんぼの女性を二人くらい見かけた幹線道路の先に、ちょっとした山道が延びています。
手前の道は、とりあえず、その先住人以外進入禁止の私道。おじさんは、僕はこっちだけど、教会はこっちらしいよ、と言い残して去っていきました。
砂利の山道だし、どうしようかと迷ったものの、立ちんぼの人がいるような場所だから、歩いて登るのは憚られ、坂道発進のできない欠点を忘れないように、いけるところまでは行ってみよう、と山道を登り始めました。ジグザクを3回くらい折り返したところに、看板。
何でこんなに無理するかというと、この看板にあるように、ここには、11世紀のフレスコ画が残されているらしいんですよ。
看板の先の路肩に車を停めて、この看板まで戻って、階段を上ります。
え?ただの家?
こんな。右側の白い方が教会。
長年の間に、なんだかいろいろと使われまわされて、建物もこんなになっちゃったみたいです。フレスコ画は、サン・マルティーノの生涯とか創世記とかいろいろ、完全な姿ではないにしろ、のこっているらしい。
本(Jacaのロンバルディア・ロマネスク)の写真によれば、こんな感じ。
左側に開口部がちらりと見えますけれど、これも、フレスコ画が描かれている真ん中に、どっかりと開けられちゃって、絵がなくなってしまったということらしいんですよ。まったくもう、とんでもないことですね。
それにしても、建物はこんなだし、窓は開けられちゃうし、という逆境にもめげず、いくら修復したといっても、これだけの絵が残っているというのは、奇跡…。
だから、見たかったんですよねぇ。
この教会は、今は、裏側に農家?林業?をやっているらしい家と一体化しています。どう考えても、その家が鍵を預かっているだろうと思うじゃないですか。
しかし!教会に近付いた途端に、犬の激しいほえ声…。犬はもともと苦手な上に、チュニジアで襲われて以来、トラウマ。びくびくしましたが、一頭は鉄柵の中で姿も見えない、もう一頭は、高い場所にいて、柵はないけれど、そこから出てくる様子はない、で、ちょっと安心して、家の入り口の方に回ってみました。
中庭を取り囲んで建物があるというかつての農家のようなつくりの家で、奥の方で、炭焼きでもしているような煙、そして騒音が聞こえますので人はいそうです。中庭への入り口は、閉ざされてもいないので、ちょっと足を踏み入れたら、さっき高台からほえていた犬が、さらに激しくほえながら、闖入者、つまりわたし目指してまっしぐらに駆けてきました。
ひえ~、思わず門を後退しましたが、よく教育されているのか、庭からは一歩も出ないで、そこで吼えています。
テレビで、時々犬の教育番組を見るんですが、その影響か、これは犬が怖がっているんだな、と分かったので、戻って、境界線のあたりにしばらくたたずんでいたら、予想通り、そのうち静かになり、そこで横になってくつろぎだしました。
よし!と踏み込んだら、しかし、また飛び起きて、攻撃的に駆け寄ってきたので、転びそうになりながら後ずさりして、逃げざるを得ませんでした…。調教師のようには行かないよね、当然ながら。
しかし、これだけ犬が騒いでいても、誰も出てこないとは、いったいどういうこと?!確かに番犬としては優秀だけど、犬も報われなくて、かわいそうじゃん!
いや、それにしても、久しぶりに怖かった。
そして、ここまでがんばったのに、最終的に鍵ももらえず、本当にがっかりでした。本にまで取り上げられているような教会なんだし、看板もしっかりしているのに、鍵のありかすら書いてないって、カルーゴ、ひどい。疲れました。
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- 2012/03/22(木) 06:07:32|
- ロンバルディア・ロマネスク
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わんこにワンワン吠えられたら怖いですよね。
でもせっかく訪れたのに開いてないなんて残念です。
私もお寺に行ったのにお目当ての仏像が見れないとやっぱり泣きたくなりますもん・・・お気持ちお察しいたします・・・▄█▀█●
- 2012/03/24(土) 13:57:00 |
- URL |
- さちぞう #79D/WHSg
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ネットで調べても、こういうマイナーなサイトって、実務的な情報がないんですよねぇ。良心的な教会だと、開いてなくとも、鍵のありかとか、開いている曜日とか、張り紙してくれていますけれども、ここは久しぶりにびっくりするくらいやる気がなかったです。看板が立派なだけに、妙に悔しい。
仏像は、奥に隠されていることも多そうで、意外と目にするのが難しいケースが多いのかもしれませんね。
- 2012/03/25(日) 21:04:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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