ピエモンテ、田舎ドライブで、まず訪ねたのは、トルトーナ。結構な町で、目指す教会にたどりつくより何より駐車場が見つからず、あえなく敗退…。
目指した教会は、おそらくファサードに、ほんの少しロマネスクの名残が残っている程度で、特に期待もしていなかったので、帰り道に寄れれば寄ろう、とすぐ気持ちを切り替えて、次に向かいました。一応、鉄道駅のすぐ近くに、公共の駐車場がありましたので、旧市街は住人以外の車は進入禁止らしいことを考えると、次回行くとしたら、ここを目指すとよさそうです。
で、向かったのはクローネ谷ですが、まずは通り道ということで、ヴィグッツォロViguzzoloのサンタ・マリア・アッスンタ教会Pieve di Santa Maria Assunta。
ここは数年前、他の教会やら友人宅を訪ねる途中に立ち寄った場所で、すごく懐かしい。ほんの3年くらい前の話ですが、当時は、カーナビもなかったので、たどり着くまで相当苦労した記憶があります。今回は、実はこの先にある教会を目指していたのですが、通り道に出会いましたので、立ち寄った次第。
それにしても、かわいいですよね。珠玉の、という形容詞がありますが、まさにそういうたたずまいです。
ここ、以前訪ねたときは、ちょうど教会の中で展覧会をやっていたので、中に入ることができたんです。素敵なクリプタがあるんですよ。今回は、当然のごとく、クローズ。でもそのときの思い出があるので、全然問題ないです。
そのとき、展覧会の管理をやっているおじさんが、実は教会守の人だったようで、その素晴らしいクリプタをみせてくれたのでした。そして、そのときおじさんがうっとりと「後陣の上の方に十字架型の開口部があるだろう?朝日を受けて、あそこから光が入ると、本当に教会の中が荘厳で美しく照らし出されるんだよ。私は何度それに感動したことか。」というようなことを言っていたことが、忘れられないです。
そういうことを言いたくなるような、教会のたたずまいだったからかもしれません。
これまでよりも、変に要求の多い私。隅々までチェックをして、あ、こういうのは、以前はチェックしてなかったかもな、という小さな中世の名残を発見。
この、正面扉の両脇にある灰色の石。かなり摩滅激しいのですが、当時のものらしい浮き彫りがあるのでした。そしてまた、ファサード上部にも、ちょっとそういう当時の名残系の石がありました。ちょいと、化石探し状態ですね、これって。
渦巻き模様。なんだかね。こういうのに過剰に反応しちゃうんですよね~。
しかし、二度目の今回、最も感動したのは、教会の近くにあった大木かも。
この教会、今では町外れという場所に建っていて、町外れとはいえ、幹線道路の脇なので、一人さびしくたたずむ、というようなロケーションではないのですが、おそらく、かつては、何もない草原に一人建っていたものと思います。
大木は、教会の両脇に二本。どちらも、直径で言えば3メートル以上はありそう。とにかくすごく長く生きていそうなたたずまいのお二人だったのですよ。
教会がほぼ千年として、あなたたちはいつからここにいらっしゃるのでしょう、と尋ねました。心の中で。だって、千年杉、とか考えると、もしかすると、教会と同じような年齢なのかもしれないですよね。だとすると、この土地の歴史を、全部見てきたんですよねぇ。石の建築よりも、生きている樹木により歴史を感じます。だって、生き証人ですもんね。
いやはや、ここは本当に素敵な場所です。
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- 2012/03/31(土) 06:21:45|
- ピエモンテ・ロマネスク
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化石?そう言えばアンモナイトが二つともみえますね。蛇とも見えるし 左なんて巴紋にも見えるし? あれこれ 想像するのも楽しみですね
- 2012/03/31(土) 01:55:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
- [ 編集 ]
ykさん
巴紋!笑
確かにそうですね~。
そこまでなかなか広がらないですけれど、中世くらいまで遡ると、想像力が重要なのは確かですね。
- 2012/03/31(土) 22:19:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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