クラッセClasseサンタポリナーレ・イン・クラッセ教会S.Apollinare in Classe続きです。
本堂に入場です。昔と違って、今はしっかり入場料を取られますが、これだけのものがあるのですから、維持していくことを考えたら当然でもあります。
ああ、緑のモザイク。
相変わらず美しい。とにかく色彩が印象的。思わず走り寄りそうになったのですが、目を捉える何かが。
これです、これ。古い石棺。その浮き彫り装飾に目が留まりました。
なんと、本堂内部、山ほど置かれている石棺。それぞれに中世初期、というか、初期キリスト教やロンゴバルド時代の浮き彫りがどっさりと展示されているのですね。
これは、本当に驚愕でした。
だって、今まで、気にしたことなかったわけですから。
なんか、大人になってから、哲学ってすごい、と思うことがしばしばあるのですけれどもね、このときも本当にそういうことを思ったりしました。何かというと、認識しない限り、物はないと同然なんだということです。これって哲学的じゃないですか。
これらの石棺、というよりわたしにとってはそこに施されている浅浮き彫り装飾、これまで、少なくとも3回この場所を訪れていて、うち1回は、ロマネスクめぐりを始めてからのことですが、この物に関しては、「認識なし=不在」だったのです。
ここに来ると、どうしてもモザイクに身も心も引っ張られてしまって、それ以外を鑑賞する余裕もなく、また、特に中世に特化しないと、こういう一見地味な浅浮き彫りは、なかなか注目できないものだったりします。だから、当然といえば当然の見逃しなのですが、それにしても、これだけたくさん並んでいるのに、見逃しというのも、ちょっと情けない話です。
今後、サイトも含めてどれだけアップできるかわからないので、とりあえず、ばんばんここでアップしようと思います。
孔雀モチーフは多いですけれど、これは、きつつき系?
よくわからんのですが、逆立っている頭の毛がかわいらしく、また十字架も含めての稚拙さがもう愛らしさ全開!
こちらは、やはり鳥シリーズですが、普通に、多分鳩。クリスモンがしゃれた感じの割には、鳥の姿はやっぱり稚拙、鳥がとまっている植物もシンプルでかわいらしいし、その下に彫られたとっても単純な組紐模様はどうですか。ああ、うっとり。自宅にひとつはほしいアイテムです。持ってないですが。
こちらは孔雀。
典型的なお姿ですね。それにしてもスリムな孔雀。葡萄もなんとなくスリムというのか、実りが悪いというのか、装飾性の薄い浮き彫りです。空白スペースも多いし、時代の古さを感じさせるって言うのか。
これもまた孔雀と思うのですが、石棺全体のバランス感覚が、時代が進んでいる感じ。
スタイリッシュ、というと笑われそうですが、でもすごくヴィジュアル的なバランスが考えられた浮き彫りと思うのですよ。
それにしてもとさか、愛らしいです。
続きます。
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- 2012/07/14(土) 05:56:39|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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| コメント:4
ロマネスクが大好きですので、
毎回楽しみに読ませていただいております。
イタリアにお住まいならではの教会廻りも
うらやましいかぎりですが、
今回はイタリアで行きたい所、ナンバー1であるラベンナ。
続きを読ませていただくのを楽しみにしております。
- 2012/07/15(日) 12:37:00 |
- URL |
- 蓮 #79D/WHSg
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蓮さま
近々ラベンナにいらっしゃるのですね。あそこのモザイクは本当にみる価値のあるものですので、是非、楽しんでください。ロマネスクというよりは、初期キリスト教ですかね。まぁそんなことはともかく、素晴らしいので。
このクラッセでは、モザイクは勿論ですが、ちょっと古い時代のこの石棺装飾素晴らしいので、是非チェックしてきてくださいね。
- 2012/07/16(月) 21:13:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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こんなに素敵な浮彫の石棺があったなんて!全然注目せず通り過ぎました。3度目の訪問はないと思いますので、こちらで楽しませていただきます。感謝!
- 2012/07/17(火) 13:50:00 |
- URL |
- Teruteru #79D/WHSg
- [ 編集 ]
Teruteruさま
やはり、この石棺、すごいですよね。共感していただいて嬉しいです。そして、私以外にも気づかなかった人がいるというのは、ちょっと安堵したりして。笑
あそこいったら、どうしても後陣モザイクに突進してしまいますよね。今日アップしたチボリオも素晴らしいです。
- 2012/07/17(火) 21:46:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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