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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロマーニャ・ロマネスク12

さて、クラッセで、かなり一般的にもいけそうなロマネスクを堪能した後は、また地味なロマネスクに戻ります。



こんな緑の美しい平原をたどって、訪ねる先は、カンピアーノCampianoのサン・カッシアーノ・イン・デチモ教会Pieve di S.Cassiano in decimo。
デチモって10番目という意味なので、どこかから10マイルとかそういう意味の命名と思います。ラベンナからかな、近いし。



道端に並んだ家々が村、というカンピアーノ。教会も道沿いに立っていました。脇はサッカー場で緑が美しく、ロマネスクの典型的な鐘楼が、遠めにも間違えようのないたたずまいです。
この鐘楼、このたたずまいだけで十分美しいですが、さらに、宝物を秘めているんです。四段目。目を凝らすと見えますが、女性のトルソが…。



おそらく、どこかにあったものを装飾としてはめ込んだのでしょう。
このトルソを観察するために、ズームアップしたおかげで、二連窓を飾るアーチのあいだに、どうやら陶器のお皿がはめ込まれていたらしいとか、そういうことも観察できました。その名残だけで、お皿が残ってないのが残念。ここにも、ピサからの影響があったのですね。または、海に近いですから、ピサとは違う経路で、アフリカ起源の陶器が渡ってきた可能性もあります。
確かに、当時を考えれば、巡礼やら様々な人の陸路での行きかいに寄る情報よりも、もしかすると、聖地での様々な情報交換が直接もたらされる可能性の方が、より簡単にありえたのかもしれませんね。うわ~、こういうのって面白い~。当時も「世間は狭いねぇ」なんてことがあったのかもしれないですねぇ。



内部は、当時のスタイルは残されているものの、漆喰で覆われて、イメージとしてはかなり新しくなってしまっています。それでも、構造がそのままなので、往時をしのぶことは可能。古いものが、若干残されているのも、その手立てとなります。
古い洗礼盤とか。



今あるより以前にあったはずの古い時代の教会の、おそらく説教壇の装飾とか。



やはり不死の孔雀モチーフだったりします。これなんかも、組紐モチーフといい、植物モチーフといい、クラッセのチボリオのように、全体が残っていたら、さぞや素晴らしい作品だったのだろうなぁ、と思わせられますよね。破片だけでも嬉しいけれど、やっぱり残念ですね。

イタリア・ロマネスクは、こちらでもどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2012/07/21(土) 05:40:57|
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