ラベンナ周辺のマイナー・ロマネスクめぐり、最後に訪ねたのは、サン・ピエトロ・イン・トレントにある、サンティ・ピエトロ・エ・パオロ教会Pieve di Santi Pietro e Paoloです。
典型的な田舎の村。教会のそばにはサッカー場があり、子供たちが楽しそうにサッカーに興じていました。教会が、今も変わらず、村の中心にあるんだなぁ、というのが、暖かい空気を醸し出すような、そういう感じでした。
ただ肝心の教会は、かなり修復も激しく、外観は、あまり中世っぽくないというのか、全体に新しいです。スタイルは、かろうじてロマネスクとは言え。
子供たちの歓声を後ろに、南側側面の扉から入りますと、しかし、いきなりタイム・スリップです。薄暗い中に、高くされた内陣、石の質感。古臭いにおいが充満しています。
この高く上がっている内陣、当然クリプタですよね。入れるのかな、と脇に回ったら、ちゃんと扉は開いていました。ただちょっと暗い。散々うろうろした後で、電灯のスイッチに気付きました。
明かりをつけると、結構視界がはっきりするのですが、往時の雰囲気を味わおうと思うと、やはり自然光の感じなので、こういうのがよいですね。
かなり朽ちた感じの装飾柱頭がいくつかあります。どれも、技術的にはたいしたものではないのですけれど、でもきっと、ずっとずっとあったんだなぁ、地元の石工ががんばったんだなぁ、みたいに歴史を感じさせる作品で、存在感がすごくあって、なんだかとてもよかったです。
帰りがけに、ふと目に留まった膝置き用の座布団。それぞれ決まった持ち主がいるのでしょう。きっとあまり布で作った手作り品。現役で生きている場所というのは、やっぱりよいものです。
スポンサーサイト
- 2012/07/24(火) 05:36:03|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0