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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブルゴーニュ その31

ブリオネ21
次は、シャトーヌフChateauneufのサン・ポール教会Eglise St-Paul。多くの方が行かれている、ブリオネの中ではかなりメジャー教会ですが、とっても小さな村なんですね。
昨日も書いたように、時間に追い立てられるようにばたばた回っていたために、どうも多くの場所の記憶があやふやになっているのですが、ここの記憶は、すごくよく残っています。
というのも、村は丘の斜面に張り付いているような状態で、教会はその端っこ、グイン!と、すごい勢いで坂道を登った場所にあるんです。村に入ったとたんに、まぁこのあたりは傾向としてどこでもそうなんですが、全体に上り坂。表示もあったことだし、この細道を登ればいいんだろうという道がすぐにわかったのですが、あまりに急だし、あまりに狭い道だし、躊躇して、ちょうど道端の家から出てきた人に尋ねてみたのです。そしたら思ったとおりで「ここ登ったらすぐだよ。車で行けるよ」。
普通なら、なるべく坂道を避けて駐車する場所を探して、のんびりと歩いていくのですが、不運にも、駐車する場所など見当たらない狭い道なので、思い切って、ぐぐぐ、と登ったのでした。
対向車が来なかったのは、本当に幸いでした。というのも、訪ねた時間のせいもあるのか、三々五々と観光客が来ていたからです。
さて。いかにも高台にある、というファサードのたたずまい。



車は、後陣側に停めることができました。半円の後陣に、ゴシックのテイストが加わって、とてもフランスっぽい建築、のように思います。



15世紀後半に大きく手が入ったのが、近代の修復で、中世の姿が取り戻されたということらしいです。

この教会を訪ねた目的は、南側にある小さな門のアーキトレーブ装飾を見るためです。これ。遠目には、いかにも地味ですよね~。



でもこれが、本当にかわいらしくて。十二使徒が横並びになっているのですけれど、その変に秩序だっていて律儀な表現が、なんとも愛らしくないですか。一人ずつが区切られている様子もいいし、人物表現がちょっと道祖神っぽいんですよ。



でも、やっぱりすごく計算して彫っているんだろうな、とは写真を見ると思います。





一人ひとり、ちゃんと顔も違えば、ポーズも違う。鍵を抱えているピエトロは、どこでもかわいいですね~。っていうか、いつまでたってもピエトロとパオロくらいしかわからない私も、問題です。
手の表現なんかも細かい。みんなちゃんと五本指まで彫りこまれています。洋服のひだも細かいし、すそが横に一直線、みんな同じ長さに合わせてあります。12人もフィギュアを彫りこむとごちゃごちゃしがちですが、このアーキトレーブは、全体がすっきりで、シンプルで、その分印象的だったりする気がします。
やはり、多くの人が訪ねる有名スポットは、見るべきものがあるんだな、と改めて思うのでしたよ。坂道にめげないでよかった。
続きます。

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  1. 2012/08/03(金) 05:24:10|
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