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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブルゴーニュ その35

ブリオネ25
ボワ・サント・マリーBois St.Marie、続きです。北側脇の扉から、中に入ります。



ブリオネを、追い立てられるように駆けずり回った一日の終わりに近く、いい加減疲労も激しかったけれど、ほぉおぉ、と、石の美しさにため息が出ました。
シンプルだけど、すべてが程よい雰囲気で、もちろん独り占めで、わざわざ来てみてよかったなぁ~、としみじみとしてしまいました。

おなじみの周回廊、三連の円柱に囲まれていて、円柱が是が低くて、ずんぐりむっくりしているのに、とっても美しい。



外に開いた後陣の窓、そこから差し込む光を、本堂に取り込む前にワンクッション和らげるような円柱の林立。円柱と円柱の間の空間と、外に開いた窓、すべての開口部が、なんともいえないバランスと感じられました。周回廊が、好きになってきました。

そして、もちろん、ここには興味深い柱頭がたくさんあります。



二股じゃない人魚。思いっきり「誘惑」なんでしょうかね。それにしても、やけにでかい手に、意味があるような気がします。まさに誘惑しているのかしら。



これは?猫科っぽいライオンでしょうか。角っこには人の顔。ライオン君は口から蔓が出ているので、グリーンマンの動物版。蔓が扇のように広がっているのが、装飾的で面白い。



思いっきり悩んじゃっている人たち。罰を受けている罪びとかな~。苦悩していますよ、足を思いっきりがにまた状にして座り込んで、厳しい姿勢です。



そしてこちらでは、鬼にミルクを飲ませてもらっているわけではなくて、巨大ペンチで下を抜かれているフィギュアですね。痛そう。右側の鬼が、頭をしっかりと押さえ込んでいるのがすごい。相当嘘をついちゃったんでしょうねぇ、この方。
こういう戒めてきな柱頭彫刻は、石工によって表現がとっても異なるので、聖書のエピソードを描いたものより、面白かったりします。

以上で、ブリオネの項、終了です。
それにしても、狭い地域にぎっしりとロマネスクの教会が立て込んでいて、事前にある程度は調べていたけれど、実際はそれ以上に立て込んでいたので、本当にびっくりしました。どれも、いい加減な建物じゃないし、柱頭にしろ、扉周りにしろ、それなりに装飾もあるんですからすごいもんです。
近くに、有力な町や教会があるわけじゃなく、唯一、巨大と言えるのは、パレ・ル・モニアルくらいでしょうか。この地域の歴史や芸術史を紐解いていけば、なぜこういうことになっているのかがわかるとは思いますけれど、こうやって実際に回ってみて思うのは、きっと、「隣町にあるみたいな教会がわしらもほしいよねぇ」的なそんな感じで、次々建っちゃったとか、実はそういう感じかもしれない…。
大局的な視点ではリヨンとパリを結ぶ線上にあるわけで、より広い地域を知っている人々が通過している場所であることは間違いなく、つまり、情報はたくさnん入ってくるということ。「渡りの石工」みたいな人たちもいたかもですねぇ。面白いです。
この夏に回ったシャランテも、同じような土地で、教会の事情も同じような感じなので、成り立ちが似ているのかもしれないと思っています。

そういうことも含めて、いつかまとめてみたいですが、さて、いつになるでしょうね。

次回はクリュニー地域に移動です。

イタリア・ロマネスクは、こちらでどうぞ~!
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  1. 2012/08/29(水) 04:35:32|
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