チロル城Castello Tirolo、続きです。
ロマネスク美術部分は前回でおしまいですが、このお城、中世の香りを随所に残しながら、観光地としてのケアもかなりしっかりしていて、さすが、イタリアの中のドイツ、というか、オーガナイズがよいというのか。
礼拝堂のあるスペースから、このような木製の渡り廊下を通って、お城の探索が続きます。
途中に、かつてはお城のどこかの壁を飾っていたフレスコ画の断片が、あちこちにかけられています。ほとんどは13/4世紀以降のものであることが明らかですが、モチーフにはちょっとロマネスクの入った不思議なものが多く、面白いのです。
ところどころ、開口部からは、周囲の素晴らしい風景が広がります。
アルト・アディジェは、りんごが有名で、イタリアで流通するりんごのほとんどが、このあたりで産出しているものです。日本の信州と技術提携とかしているようで、おそらく今イタリアで多くの人に愛されているフジも、ここから始まったのだと思います。
そういうわけで、りんごだけと思ったいたところが、実はワイン用葡萄の作付けも相当すごいものがありました。日本で言えば棚田のような土地に、りんごとワインが交互にうねうねと植えられていて、特にこの緑の美しい夏、うっとりするような緑のグラデーションで、本当に素晴らしい景色です。
通路の先に、巨大な塔があります。いかにも中世初期の無骨な建造物。
これが、要はお城のメインの建物なんですね。12世紀初頭の建造。この内部は、現在地域の博物館になっていて、5/6階分のスペースが作られていて、チロルの現代史が語られています。一日の終わりで疲れていて、上まで登る元気がないよ、と思っていましたが、ちょっと見だすと面白く、結局天辺まで登ってしまったのでした。
ぐるぐると壁に沿って回って登る階段になっていて、真ん中は吹き抜け。こういう構造です。
見学終了。ちょうどお城が閉まる時間だったのですが、このあたりがまた、とてもアルト・アディジェ、という感じで、ブック・ショップも容赦なくクローズで、一分足りと遅くまであけてませんよ!と実力行使のクローズぶりには、びっくりでした。
それにしても、見ごたえのあるお城。是非たっぷりと時間をとって、訪ねてほしい
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- 2012/10/18(木) 04:30:00|
- チロル・ロマネスク
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