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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

チロルのロマネスク その13



ボエモント城は、たどり着くのは大変だったけれども、おいしい素朴ランチにありつくことができて、とりあえずの満足感は得られました。しかし、ここから、出発点の村に下りるまでには、もうひとつお城があるはず。
コルブ城。おそらく、下の写真の右下に見えるのがそうではないかと。
この素晴らしいパノラマは、ボエモント城唯一の中世の名残の塔の上からのもの。素晴らしい景色ですよね。往時は、きっと、物見の役に立てるための塔だったのでしょうけれども。



こういう城塞の塔。それを思うときに必ず思い浮かべてしまうのが、指輪物語の映画のシーンです。伝達のため、それぞれの塔の天辺で火を炊いて、はるか遠い土地に異変を知らせる伝達のための塔。
このように開けた景色を目にすると、塔にはそういう役目もあったのだなぁ、ということがとてもよくわかるし、何度でも、映画のあのシーンを見たくなります。
映画はファンタジーだから、どの時代の物語でもないのだけれども、とても中世なんですよね。あ、見たくなってきた。といいながら、実はいまだにDVDを買っていないわたし。

それはともかくとして、やはり相当厳しい坂道を上り下りしつつ、汗だくでたどり着いたコルブ城は…。



なんか、高級ホテルになっていました。
お城そのものも、ここは結構新しくて13世紀初頭のもの。その当時からずっと、個人の所有する不動産となっていて、そういう意味ではホテルになるしか保存する方法がなかったような場所なんでしょうね。



結構な高級ホテルのようでした。アクセスも車で十分できるようだし、風景の素晴らしいところですから、ラブラブ・カップルなんかにはお勧めかもしれません。イタリアといってもチロルだから、ちょっとお値段は張りそうですけれどね。
中には入りませんでしたが、入り口にもなっている、この巨大な四角い塔は、中世の雰囲気がかなり残されていて、ただ、それ以外がかなり近代的になってしまっているので、見た感じがちぐはぐでさびしい気持ちになりました。半端な近代化、というのは、最も情けない風景を生み出します。



いずれにしても、実に美しい景色を堪能できる土地でした。相当厳しい坂道の連続なので、体力と相談する必要がありますが、もしそれが許すならば、是非Missianoの町から、アッピアーノ城~ボエモント城~そしてこのコルブ城というルートを歩かれること、お勧めします。辛いながらも楽しい一日になることは必至。
アルト・アディジェ特産のりんごの風景にも、あちこちで接することができますしね。




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  1. 2012/11/19(月) 07:03:19|
  2. チロル・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

なるほどホテルなんですか~廃墟のままのが嬉しいけど、パチンコ屋じゃないからまだマシですかね~笑、日本なら小さな売店があって甘酒とか味噌コンニャクとか売っていそうだけど、、。
  1. 2012/11/18(日) 23:44:00 |
  2. URL |
  3. チビッコ未来発電所 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

味噌こんにゃく!なんだかローカルすぎますよ~。チロルだとりんご酒とかありそうですけどね~。
ホテルにするのも、文化財を残す手段としえは決して悪くないと思うのですが、あまりに要らん手を入れすぎると、情けないことになります。ここがどういう風なのかは分かりませんけれども、宿泊者以外お断り的な態度が気に入らなかったです。笑
  1. 2012/11/19(月) 22:14:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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