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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

チロルのロマネスク その20

ミュスタイアMustair見学後は、ランチも近い時間だったのですが、スイスは物価が高いので、そそくさと再び何の感銘もなく国境を越えて、イタリア側に戻りました(イタリアに入るときは、結構うるさくパスポートの提示を求められましたが)。

南チロルは、イタリアと言ってもドイツ文化圏で、様々なことがドイツ式。情報の流通もかなりしっかりとしていて、事前に結構調べることができ、また、ほとんど調べた情報どおりに開館していてくれるので、助かります。
とはいえ、ロマネスクに関しては、それほど多くの観光客が毎日のように押し寄せるわけではないし、どちらかといえば、リゾートで滞在している人たちが、今日はあそこ、明日はあっち、みたいな感じでふらふらうろうろ、ハイキングの途中に見学するようなことを想定しているのか、教会のオープンが、とても限定的。週に一日、それも時間指定、となっている場所が多くあります。
多くのヨーロッパ人のように、一週間も同じ土地に滞在していれば、のんびりと観光できるシステムなのかと思いますが、この点に関しては、何年たっても日本人以外になれない私としては、短時間で固めて訪ねたいので、無駄のない訪問を計画するのが結構大変でした。

そういった、限定的開放の教会のひとつが、ブルグジオBurgusioのサン・ニコラ教会Chiesa di San Nicola(St Nikolaus)。



村のはずれ、牧草地の中にたたずんでいます。とても美しいロケーション。
この教会、オープンするのは、金曜日の14時15分だけ、というピンポイント。ミュスタイアで、思いもかけずガイド・ツアーで時間を取られてしまったのですが、その分、ちょうどその半端な時間に、首尾よく、この村までたどり着くことができたのです。とはいえ、教会の正確な場所がわからなかったりもしたせいで、また、すぐ近くに車を置けなかったためもあり、教会に到着したのは、既に14時25分。あわあわしながら入場。



そっけない四角い一室だけの教会の、古めかしい地味な後陣部分に、12世紀のフレスコ画が一部残されているのです。
天井のヴォルトの部分に、アーモンドの中の祝福するキリスト、そしてその周囲に、四福音書家のシンボルが描かれています。



色もやさしくて、キリストの顔が女性的で穏やか。なんかちょっとおしょうゆ顔じゃないですか?そのせいか、全体にとても繊細に感じられました。
キリストの足元に描かれた、ルカとマッテオ。



しかし、この教会でも、見学にはちょいと不具合がありました(ミュスタイアに続き、文句ばっかり言ってますね)。
実は、われわれがたどり着いたとき、既に中ではガイド・ツアーが始まっていました。どういうシステムかわからないけれど、とりあえず入場して、自分に興味のあるフレスコ画に突進したのですが、いきなりガイドの女性に声をかけられ、「ガイド、聞くの?どうするの?聞くなら、各自3ユーロ(だったと思います)!」と怒鳴りつけるように言われ、その強引さに反論の隙もなく、あわあわと払ってしまったのですが、そのガイドはものの3分くらいで終わり、あってもなくても影響なし。
どうやら、地域のロマネスクめぐりツアーというのをしているようで、彼女は次の場所に移動することに気をとられていて、とにかく早く切り上げたかったようなんです。そりゃ、14時15分オープンだけど、そのオープン時間が、たったの15分なんてありですかね?
ガイド終わり次第、「さぁさぁ、締めますから、皆さん出てくださ~い」で追い出され、なんだか狐につままれた状態って言うか、何が起こったのか起こらなかったのかわからないうちに追い出されていました。
ミュスタイアに続き、なんだかどうも、この地域の人たちとは波長が合わない気が…。
入場料と思えばいいんですが、でもあの3ユーロは、あの女性のポケットに収まった気もするし…。なんか納得できず。

とはいえ、開いていなかった可能性もあるわけですから、肝心のフレスコ画が間近に見ることができたことに感謝しなければ。
素敵に古めかしい扉を後に、解散。



この時点で、大変空腹なことに思いがいたり、村に足を踏み入れたら、レストランらしきものがありました。既にランチには半端な時間になっていますが、冷たいものなら食べられるということなので、喜んでテラスに座りました。
そして、何をいただいたかというと、これ!



アップル・シュトゥルーデル~!
そういえば、ホテルも夕飯付きだし、ハイキングでは山の食堂だし、この地域にきたらマストのこれ、今回はまだいただく機会がなかったので、これはラッキー!と、すぐにご機嫌が治っちゃいました。
またここのシュトゥルーデル、ホームメイドということでしたが、実に立派でおいしい。幅、30センチ近くで、りんごどっさり、甘さ控えめ。遅いランチ代わりでしたから、ぴったりでした。お店の人には、杏のシュトゥルーデルを強力に勧められたのですが、やっぱりりんごですよねぇ。とはいえ、杏シュトゥルーデルなんて見たことも聞いたこともないので、興味はあります。杏は、生は苦手ですが、調理するとおいしいですからねぇ。

しばしの憩いの後、次に移動です。

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  1. 2012/11/27(火) 06:15:02|
  2. チロル・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

ブルグジオには行ってない! キリストいいお顔ですね。実物を見たかった。
アップルシュトゥルーデル、美味しいですよね。また食べたいです。それにしてもこれは大きそう。
  1. 2012/11/26(月) 23:14:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
ここのキリスト、かわいいですよね。写真写りがよいというのもあります。笑
この辺りに行ったら、甘党でない私も、必ずアップル・シュトゥルーデルはいただくので、これまであちこちで食べていますが、ここのは、大きさ的には一番。味もかなり上位にランクインするものですよ。
  1. 2012/11/27(火) 22:38:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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