ブルグジオには、もうひとつどうしても訪ねなければいけない教会がありますが、そこも時間限定で、まだ間がありますので、ちょっと後戻って、マッレスMallesのサン・ベネデット教会Chiesa di San Benedettoに向かおうとしました。 が、この日は午前中しかオープンしていないという時間限定なのに気付いて、すぐにあきらめ、16時から17時というオープン時間だけを頼りに、グロレンツァGlorenzaのはずれにあるというサン・ジャコモ・ディ・ソレスSan Giacomo di Solesという小さな教会を目指しました。
しかし!城壁で囲まれたグロレンツァの町を入ったり出たり、周りをうろうろしたけれど、ぜんぜん場所がわからないんです。表示もまったくない。 結局、あきらめ、インフォメーション・センターで、地域の情報でも集めようということで、マッレスに戻りました。
マッレスは、そこそこの町で、入り口に駐車場も完備していて、立ち寄りやすい仕組みです。インフォメーション・センターもわかりやすく、資料を買ったりもらったりしました。 そこで、サン・ベネデット教会は開いているのか、と訪ねているツーリストがいましたが、観光局の人は言下に、「今日は午前中だけしか開いていない日なので、今はもうしまっています」、と答えていました。やっぱりな、と思いましたが、せっかくここまで来たので、せめて外観だけでも、と教会に向かいました。 住宅街を抜けていくと、小さな高台になっている町外れに、こじんまりと、教会はありました。
いかにもチロルの教会というたたずまい。このあたり、みな似ていますよね。限りなく地味な外観。比較的背が低くてどっしりとした中世の鐘楼。だんだん親しみを感じるようになってきました。
近づくと…。
え?!
なんとなくざわざわ感があるな、と思ったら、なんと、扉が開いているではないですか!
こんなことがあるんだ~、と小走りに入場。
なんと、先にブルグジオで一緒になった感じの悪いガイドさんの率いるツアーが見学中だったんです。
なんか、ここでまたお金を徴収されるのも嫌だし、小さくなって、こそこそと遠くから見学する羽目になりました。お金がもったいないというより、あのガイドになんか言われたくないっていうのが強くて。情けないって言うか馬鹿みたいな話ですけれど、考えたら。
ただ、この人たちがいてくれたおかげで中に入れたので、もうそれだけでよしということで、納得、満足。
写真は撮れませんでしたので、これはインフォメーションでゲットしたガイドブックから。
これは最初のグレゴリオ法皇、最も教会勢力を伸ばしたグレゴリオさんですね。
ブックの拡大写真なので、きれいですけれど、実際は、かなり色があせていて、肉眼ではわかりにくい絵だったように思います。あせ方が感じよいといえばよかったんですけれど。
ま、ここも例によって、「さぁさぁ閉めますから~」ということで、あっという間に追い出されてしまったんですけどね。でも、ほんの5分くらいの差で、入れたようなもんですから、やっぱりラッキーでした。入れない残念感って、すごく強いですもんね、実際はたいしたものがないとしても。
ここマッレスは、巡礼がたくさん歩いていた道沿いにあるんでしょう。歴史のある土地と見受けられました。 こんな円形の塔が、道端にひょっこりあったり。
フローリッヒ城の塔だったものらしいです。スイスのCoiraの勢力だったらしいんですよ。このあたり、このCoiraと、チロル伯と小競り合いが多発した土地だったらしいです。ここからCoiraって結構遠い感じですが、それを言えば、チロル伯の本拠地も結構遠いかも。
そして、サン・ベネデットと同じような時期と見受けられる鐘楼が、住宅地の中ににょきっと。
サン・マルティーノ教会の鐘楼。そばに近寄ろうとしたら、どこぞのお宅の裏庭みたいなところに出ちゃったりして、どうしても近寄れませんでした。
こういうとき一人だと、執念深くどこまでも探るのですが、ロマネスク仲間でない同行者と一緒だと、どうしても遠慮が出ます。というわけで、探索は深入りできず。
後からガイドブックを見たら、教会は個人所有なので、訪問不可とありました。こんな立派な塔も、個人で持っているんですかね。メンテだけでも相当大変だと思いますが、一方で、なんだかすごくうらやましいような気もします。やっぱり病気。
車に戻る途中に、こんなにかわいらしいお庭が。
この庭、現代アートっぽいものも置かれていて、楽しかったです。木製の小鳥、ほしいくらい。
マッレス、たまたま立ち寄る羽目になったわけですが、行ってよかった!
ブルグジオよりはかなり町なので、このあたりで休憩するにも、この町はお勧めです。
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2012/11/28(水) 06:36:47 |
チロル・ロマネスク
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