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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

南仏、中世とお魚食い倒れ4

ヴェンティミリア4
カテドラルCattedrale d'Assuntaの続きです。
この教会、急坂を荷物を引きずってでも行きたい、と思った理由が、地下にある遺構です。
まずは、クリプタ。



20世紀半ばの大規模な修復の際に、現在の後陣地下部分に、どうやら相当古い時代の遺構があることがわかったのです。その当時、その部分は、すっかり埋まっていたんだそうです。その中から、多くの浮き彫りの破片なども見つかったとか。
それが、7/8世紀のロンゴバルドの遺構だったんです。
うわ~、なんて素晴らしい発掘を行ったのでしょう。

この中世初期のクリプタは、ロマネスク時代直前まで使用されていて、それまで教会が捧げられていたサン・セコンドの遺骸が葬られていたようです。
クリプタが使用されていた時代の教会は、一身廊で、クリプタの両脇から階段で降りるような構造だったということです。
今は、内陣左側の階段で降りるようになっていますが、発掘されてからのものなので、階段は跡付けの新しいもので、当時の様子とは当然ながら違うものとなっています。



階段を降りる場所に、自分で点灯できる電灯も備え付けで、大変素晴らしいシステムになっています。こんなに人が来ないのに、こんなに至れり尽くせりでいいのだろうか、というほど、観光的にきちんとしていて、びっくりしました。



おそらく祭壇の位置は、昔のままですが、どうなっていたかはわからないはずです。今は、発掘時に見つかった浮き彫りの石が、使われて、愛らしい祭壇が作られています。



天使が、祝福のポーズをとっています。ビザンチン風のモチーフ、ということになるのでしょうか。でもロンゴバルドらしい。顔がなくなっちゃっているのが、残念です。



装飾的ないかにもロンゴバルド風の十字架とか。



これもよく見られるモチーフ。風車、または扇風機文様(?)。愛らしいです。



祭壇に向かい合った壁。オリジナルと思います。

それにしても地味な絵ばかり。タイトルで訪問されると、怒られそうな内容です。

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  1. 2013/02/01(金) 05:58:34|
  2. リグリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

クリプタ、素晴らしいです。十字架の彫られている石板、ロマンモティエを思い出したりして。ヴェンティミリアという町、しりませんでしたが、いろいろ隠し持っているのですね。メモする町の名前、また増えてしまいました。それにしてもランゴバルド魅力ですね。
  1. 2013/01/31(木) 23:03:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
本当に、予想外でした。リグリアって、一般的に重要度の高いロマネスクの数は少ないのですが、なかなかどれも素晴らしくて、びっくりです。今回、旅の直前にふと気付いて訪ねることにしたのですが、本当に気付いてよかったです。
  1. 2013/02/01(金) 22:41:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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