何度も来ている南仏ですが、実はカンヌという町は、ほとんど立ち寄っていません。ずいぶん昔、初めて車で来たときに、ちょっとだけかすったこと、それから、仕事の関係で、ちょっと立ち寄ったこと、そのくらいで、実際に自分の足で歩いたことは、ほとんどないも同然。
だから今回も、列車移動だったし、おそらくニースを拠点にする方が便利だったと思うのですが、滞在したことのない土地に興味があり、あえてカンヌに滞在しました。
鉄道駅前の安ホテルに居を構えて、あちこちと列車やバスで移動する合間に、カンヌの町も楽しむことができました。小さいながら、さすが映画祭で国際的な舞台となる街だけあって、一流のブランドのお店がたくさんあるし、雰囲気は、とってもお洒落です。
多くの人が、映画祭の舞台となる劇場の前で記念写真を撮っていましたが、そこが意外と地味な場所だったりするのが、ある意味新鮮。っていうか、テレビで見ていても、実際の雰囲気は、絶対にわからないなぁってことですね。
このあたりの町同様に、ここも地中海に面したリゾート地ですから、メインは海。
海沿いのプロムナードが、町一番の観光スポットです。それが、さすがカンヌ、って言うか、フランス、なんですかね。こういうのは、イタリアでは見たことがないですよ。プロムナード足元に照明。
刻々と色が変わります。ピンクから緑に、そして青に、といったように。最初はびっくりして、そして美しいと感動して、だんだんとうるさいなぁ、というようにテンションが下がりました。きれいなんですけどね、やっぱり人工的で、最終的にはいらないものだな、と。
天然自然の照明がある街なんだし、何もわざわざ人工的な色を作らなくても。
というのも、連日、最高の夕焼けを見ることができたから、思ったことかも。
ちょうど、この入り江をバックに夕焼けなんですね。初日は、本当に素晴らしい色で、夕焼けの色が始まってから、夜の濃い青が支配するまでの時間、プロムナードに置かれた椅子に腰掛けて、ずっと見入ってしまいました。
驚くのは、クリスマス直前の寒い時期にもかかわらず、そういう行動をしていても、全然寒くないってことです。緯度はともかくとして、気候的に、やはり南なんですね。夕焼けをぼーっとして見ている時間、本当に幸せでした。ほとんど何も考えずに、ボーっと。でもそういえば、星の王子様のことがよぎったかな。彼は、フランのお札にも出てくるくらいメジャーな存在だし、わたしは、星の王子様以外の著作も含めて、サンテグジュペリが大好きなんですよ。
カンヌの旧市街は、陸の上にある、猫の額のように小さな地域。今、映画祭などで取り上げられる部分は、考えたら、すべて新しい街なんですね。
旧市街は、急坂の続く厳しい土地ですが、ほんのちょっと中世の雰囲気も残した風景があり、また、高台となるので、新市街や港のパノラマを楽しめる土地でもあります。
こんな土地に、まさかがっつりと中世が残っているとは。いやはや。
次回お楽しみに。
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- 2013/02/10(日) 07:18:56|
- プロヴァンス・ロマネスク
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