レランス諸島、サントノラ島2
前回は、ついつい島と周囲の海の美しさに終始してしまいましたが、いよいよ中世世界に足を踏み入れます。
島には、時代の異なる礼拝堂が、あちこちに点在しています。最初に出会ったのはここ。
サン・ピエール礼拝堂。
中は入れませんが、結構新しそうな礼拝堂。手前に緑のトンネルがあり、美しい海辺に下りることができます。
そしてその先に、修道院の本堂があります。
森だったり、やしの木だったり、土の道だったり、そして教会の雰囲気も南っぽくて、カンヌは確かに南なんですが、もっともっと南っぽくて、一体どこにいるのか、わからなくなってくるような風景です。
教会は、実はすっかり新しくなっています。
オリジナルは、それこそロマネスク時代のものだったようなのですが。今、その面影を残す回廊があるはずで、そこが目当てだったのですが、回廊に通じそうな扉は堅く閉ざされています。
おかしいなぁ、と上の写真部分ですれ違った関係者、というか、何かの工事に来ているらしい作業着の若者に、きっと冷たく対応されるのだろうな、と思いながら、回廊のことを尋ねてみました。
最初は余り英語が通じなかったのですが、途中からぼんやりと会話となり、「あ、回廊ね、あれは、クローズ。一般人は入れませんよ。あそこはモンキー専用だから。」
「…モンキー?」
「!モンク、モンクだよ、あっはっは、モンキーなんて言っちゃ(猿に)悪いよな~。」
と、大笑い。なんとなく、猿に悪いって皮肉っぽく聞こえたんですけどね、まぁ修道院関係者だから、そんなこともないのかな。
それにしても明るい若者で、フランス人も明るい人がいるんだ、と久しぶりにほっとしました。
モンキー、くくくっ。でも、こういう風景が広がっていると、猿とか実際にいても不思議がないような気もするから、ね~。
修道院全体。
塔のあるのが教会で、周囲の建物は、宿泊場所や食堂や作業場があるのでしょう。修道院のサイトを見ると、ワインを始めとして、いろいろなものを造っているようです。お土産物屋もあって、修道院で作っているワインやリキュール、石鹸やお菓子類が販売されています。
びっくりしたのはワインが、すっごく高いこと。一番安いのでも10ユーロ以上で、平均価格が30ユーロくらいだったかな。フランス・ワインはもともと高い上に、やはり希少価値ってやつかしら。
実は、この島にはレストラン、それも結構高級なレストランがあり、この修道院のワインも、供されているようです。
ワインは、高いし重いので、小さいリキュールを1本、求めました。
レランスの黄色酒ってなんだかよくわからないけれど、植物で作っているリキュールのようです。アルコール度43%とあるので、グラッパ系かな。まだ味見してないのです。
さて、島に点在する教会めぐりに出発。その前に、ちょっと面白いなと思った風景。
もはやほとんど懐かしい公衆電話。
土の道、緑、背後遠くに教会が見えるものの、なんだか田舎のはずれにポツン、という場所なんです。修道士は携帯を持たないのかしら。修道院内に電話は置かないのかしら。試してはみなかったのですが、現役っぽかったです。不思議ですよね。
スポンサーサイト
- 2013/02/16(土) 06:23:16|
- プロヴァンス・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0