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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

南仏、中世とお魚食い倒れ13

レランス諸島、サントノラ島3
修道院本体のすぐ近くにあるのが、海に突き出して建てられている要塞教会。




素晴らしいロケーションです。曇天がちょっと残念ですが、逆に、怪しい中世の雰囲気が出ている感じもします。
海辺の小道をたどって、入り口にアクセス。まさか中には入れないだろうな、と思っていたら、なんと何と、思いっきり開いているのでした。
「16時45分に門は閉ざされるので、訪問者はそれまでにちゃんと出てね」という但し書きがあるので、普通に開けているのですね。

いきなりこんな感じで、嬉しくなりました。




かなり朽ちてはいるのですが、見学ができるように、床面も階段も、それなりにきちんと整備されていて、上っていける螺旋階段があります。明かりも、ちゃんと点灯できるようになっていました。

迷路のような各階に立ち寄り、見られるところは余さず見て、やっと到着した天辺。




修道院本体の全景はもちろん、遠くカンヌの町まで見晴らすことのできる絶景。そして、見下ろす海は、見事に澄んでいて、実に美しい南仏の風景が広がります。これだけでもここに来る価値は大。
お天気がよければ、置いてあるデッキチェアに腰を下ろして、のんびりとお休みさせてもらったことでしょう。

それにしても、この感じって、何か思い出しませんか?




リグリアのサン・フルットゥオーゾ修道院。あそこも、こういう感じでしたよ、確か。
ただ、あそこにはとっても愛らしい柱頭装飾がありましたが、こちらは、かなり地味。





でも、シンボリックな植物模様や組紐模様、どういう起源か、サン・フルットゥオーゾとの関係とか、調べたくなります。

要塞教会を後にして、この島で最も訪ねたいと思っていた教会に向かいます。海沿いの道を歩き、小さいながらも、表示もないので迷いながら、たどり着いた林の中に、その教会はありました。トリニタ礼拝堂Chap.de la Trinite'。




石積みの素朴さといい、全体のたたずまいといい、とても心引かれる姿です。




ファサード側は、ただ石積みの素朴な平面的なものなのですが、この後陣。まるでビザンチンの影響でもあるかのようなたたずまいではないですか。
修道士の人たちが、石をひとつずつ積み上げて作ったのでしょうか。祈りがにじみ出ているような、素朴なだけに強い心を感じる建物です。
残念ながら、扉は閉ざされています。かなりいい加減な立て付けで、石の壁と、分厚い木の扉の間はすきまだらけでしたが、中は見ることできず。もちろん、内部もただ石積みのままで、装飾といって何もないのでしょうが、こういう祈りの念が強く感じられる建物の中に、入ってみたい気持ちになりました。
今でも、特別な祈りの機会には、使われているようです。

ロマネスクの教会で現役の場所は、もちろんたくさんあるわけですが、作られた当時そのままの姿で、そのままずっと使われてきた場所というのは、ほとんどないと思われます。そういう意味で、とても貴重な場所なのではないでしょうか。

立ち去りがたいような気持ちに捉われつつも、次の船に乗って、カンヌに向かいました。サントノラ島、いつまでもこのままの姿で保たれますように。

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  1. 2013/02/18(月) 06:30:40|
  2. プロヴァンス・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

この小ささ、あっけなさ、プリミティブだからこその説得力が感じられるのでしょうね、corsa党の私は文句なしにこういうのが好きです。
「カタルーニャの模範ルート」そして「旅記事」参考にさせて頂きました。南北に見て歩くようなルートが多かったのですが、日程の都合でそれらをFigueresからLleidaまで東西に横切りながら南下する予定です。
どうもありがとうございました。
  1. 2013/02/18(月) 00:48:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

oteboxさん
あんなふるいいい加減な記事を送りつけて、あとから反省です。
何かの役に立ては何よりですが、ほとんどそんなことはないかと思います。どういう旅になるのか、楽しみですね。
去年はフランスばかりで、今年はイタリア三昧、同時に、久しぶりにスペインにも行きたくなっています。もしかしたら、7月の旅は…。
とにかく、旅の報告、とても楽しみにお待ちしています!
  1. 2013/02/18(月) 22:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ニースに行ったときに買った写真集でレランス島の空撮写真を見て一目ぼれしてから12年・・・ようやく行けそうです。
松林?に佇む小さなチャペルもサン・フルットゥオーゾに似た要塞教会も最小限二しか手を加えられていないみたいで、良い雰囲気ですね。ますます楽しみになりました。
  1. 2013/02/25(月) 15:23:00 |
  2. URL |
  3. Teruteru #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

12年前からご存知だったんですね!すごい!わたしなんて、この旅の直前まで知りませんでした…。こっちに住んでいる利点は、知ったらすぐ行けることですね。
夏でも、この島が混雑する、ということはなさそうに思われますが、どうなんでしょう。海水浴はできないはずだし。Teruteruさんのレポートが楽しみです。
  1. 2013/02/26(火) 22:35:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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