おまけ、ニース
最後に、半端な時間ができたので、カンヌからイタリアに向かう途中のニースに寄りました。数時間あったので、駅に荷物を預けて、ブラブラするつもりでした。
ニースは、これまで何度も行っていますし、駅に荷物預けがあったのもよく覚えています。さすがに大観光地だし、まさかヴェンティミリアのように、なくなっていることはなかろう、と思い込んでいました。
確かに、ちゃんとありました。
でも、思いっきり閉まっています!
なんと、お昼休み…。イタリアかよ…!全くないより、逆にむかつく感じ…。
ニースは、坂の街でもあります。どこに行くにも、必ず坂があります。駅から海辺の方に行くには下り坂。マティス美術館などがある方へは上り坂。下がったら登らなければいけないのが道理。どうしようかな~、としばし悩みましたが、お昼休みが終わるまでのんびりと待っているのは、もったいなくて我慢できない。
ということで、結局また修行旅状態。荷物を引きずりながら、シャガール美術館を目指すことにしました。
駅にある観光局で地図をもらい、行き方を訪ねると、「近いので十分歩けますよ。こう行って、こう行って…」と、クールながら一応対応はしてくれたので、その通りに歩きました。そして途中で、対応はしてくれたけれど、やはり親切心も何もないのだわ~、とまたフランス人に対するやるせなさがこみ上げてきました。
だって、そりゃわたしは方向音痴ではあるけれど、それにしても表示はないし、曲がりくねっていて、地図を見てさえ方向を間違えるような道の連続だし、その上、最後の方は、本気で誰かを呪いたくなるくらいのすごい急坂だし。
あああ。辛かったです。
が、何とか到着。真冬なのに汗だく。
入り口は地味だけれど、とても雰囲気のある建物。そして建物の周りには、素敵な緑の庭園が広がります。
先述したとおり、ニースは、南仏の中では、エクス・アン・プロヴァンスとともに、やけに訪ねている町のひとつなんです。なのに、このシャガール美術館は初めてだったんです。シャガールって、日本ではすごく人気者だけど、わたしは実は余り好きじゃなかったんですよね。あんまりイラスト的だし、きれいだけど、絵が下手だし(すごい発言ですが)。
でも、今回美術館を訪ねて、見る目が変わりました。すっごくよかったんです。
これって、2年ほど前に、パリのオランジュリーでモネを見て、睡蓮のすごさが初めてわかったのと同じような感じ。やっぱり本物を素晴らしいロケーションで見るって、それだけで何か違うものが見えるのかもしれないです。
ゆったりとしたスペースに、自然光が入るような設計で、全体にやさしさが漂っています。大作が、押し付けがましくなく目に入る。
小品もかわいらしいですが、やはり大きいキャンバスの絵は、引き込まれるものがあります。ちょっと感動しちゃったのが、この一連の、美しい赤の絵。
六角形か八角形の部屋になっているスペースの壁にぐるりとかけられていて、圧倒的でした。この人の色使いは、すごい。これまでわかってなくてごめんなさい。
美術館の一角は劇場空間になっていて、シャガールのインタビューのビデオが流されていました。途中から見たのですが、これがまたとても面白かった。
劇場の壁を飾るステンドグラスも、シャガールの作品のようです。こういう個人の美術館がたくさんあるのが、フランスの楽しいところかも。というか、それだけ多くの著名アーティストが生きた土地であるということですよね。
パリのオペラ座の天井画も、ちょっと見たくなりました。
うっとりしながら、気を取り直して、改めてかばんを引き引き、今度はおなじみのマティス美術館に向かいます。ここは、美術館の人に尋ね、さすがにバスで行くことにしました。
おお、久しぶりです。
以前は、もっと絵がたくさんあったように記憶しているのですが、ちょっと寂しい展示だったように感じました。でも、無料でしたか、ここ?無料って覚えてないんですけども。別に訪ねた日がたまたま無料、というわけではなく、通年無料のようでした。ふーむ。
美術館前のオリーブ畑、というより公園。老若男女がくつろいでいて、ゆったりとよい感じでした。一人荷物を引いて、場を乱す異質なわたし。
そうこうしているうちに、列車の時間が近づいてきて、慌ててバス停に向かいました。時刻表を見てびっくり!1時間に1本くらいしかないんです。どきどきして待つこと10分ほど。無事にバス到着で、無事駅に到着。危なかったです。
というわけで、クリスマス休暇、おしまい。盛りだくさんで、とてもよい旅ができました。とにかく暖かいのが気に入って、毎年の恒例にしてもいいな、と思います。とりあえず次回は、ニースに停まって、中世ではなく、美術館めぐりの休日をもくろんでいます。今から。早いし。
お付き合い、ありがとうございました。
いよいよ、昨夏のポワトー・シャランテに戻りますので、お楽しみに。
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- 2013/02/21(木) 05:44:41|
- アートの旅
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| コメント:5
あ~この一連の記事、すっごく楽しかったです‼ ニース行きたいな。
シャガールのステンドグラス素敵ですよね(スイスのみました)
楽しそうな休暇ですね
食い倒れ記事もたまりません。
corsaさんの中世以外の美味しいものや、美しいものの記事も大好きです。
- 2013/02/21(木) 04:44:00 |
- URL |
- - #79D/WHSg
- [ 編集 ]
CJさん
スイスにもシャガールのステンドグラスがあるんですね。近いのに、全然知らない。っていうか、これまでシャガールって、ある意味避けてたとこもあるからな~。本当にだめだな、オレ、って感じですよ。
食い倒れ記事は、今後も続けたいと思いつつ、いつだって、写真忘れて食いついちゃうもんで。笑
お元気そうですね。
お邪魔しつつ、いつもコメントなしでごめんなさい。
- 2013/02/24(日) 23:42:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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こんにちは
忙しく移動していたのでお久しぶりの訪問です
ここ私も行きましたずいぶん前に
シャガールとマチス
冬なのにレモンの実がたくさんついている木がある家が
印象的でした
さすがニースとおもいましたよね暖かくて
- 2013/02/27(水) 02:59:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
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ガヴィさん
お元気そうで何よりです。
ニースは本当にいつでも春みたいでいいですよね。美術館もレベルが高いし。来冬は、ニース週末旅行を考えていますよ。
シャガールは、聖書にまつわる絵をずいぶんと描いていますから、ガヴィさんには興味のある絵が多いことでしょうね。
- 2013/02/27(水) 22:18:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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