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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ポワトー/シャランテ、7

シャランテその3、St Amant de Graves

道なりにどんどん進んで、次に探したのがGravesという村です。村には順調に到着。入ってすぐ、教会がありました。




墓地教会、という情報があったに過ぎないので、いかにも村はずれで墓地があった場所ではないか、というようなたたずまいに、よし!とすぐ停まったのですが、どう見てもロマネスクじゃないし。もしかして本当に一部の外壁だけ残して、すべて変わってしまったタイプ?と悩みながら一通り見ても、やっぱり違う…。

村には人っ子一人見当たらないし、仕方なく再び車上の人となり、次の町に移動、と思いながら、ゆっくりと運転していくと、村はずれに村の成り立ちや見所などが記された看板がありました(なぜか撮影していない)。
そこには、中世の教会の姿が、ちゃんと出ているのですが、地図はなし。なんて半端で不親切な情報なんだろう!と逆切れ状態のわたくし。
これでもわからないんだし、と改めてあきらめて車に戻り、カーナビに従って、次の村を目指そうとしたところ、道端に、「中世の教会」という看板が出てきました。

方向は違うけれど、せっかくだから立ち寄ってみよう、と右折。しかし田舎道が続くばかりで、まったく何もできません。いい加減進んだところで、St Amant de Gravesという村のはずれで、先ほど看板に出ていた塔が見えました。




道の両脇にいくつかの住宅が並んでいるだけの小さな村。そこで両隣を住宅に取り囲まれるようにして、たっているのが、ロマネスク時代のこの教会でした。ガイドでは、Gravesとありましたが、実際はGraves郊外のさらに小さな村の教会だったのです。

緑の向こうに、とってもシンプルで地味なファサードが垣間見えます。




最初に訪ねたサン・シモンと同じようなタイプ。
大きいとアンギュレームのようになって、小さいとこういう感じ、ってシャランテの様式は結構わかりやすいかも。そういえば、ファサードの傾斜屋根の天辺には、やっぱり石の十字架が載せられています。

閉ざされていて中は見ることができなかったのですが、窓にはステンドグラスがはめられている様子が見えたし、おそらく新しくきれいになってしまっていると想像に難くないので、特に残念でもなく。

とってもシンプルですが、ちょっとした装飾はちゃんと残っています。
教会唯一の、ファサードにある扉周り。




柱頭部分は、もしかすると古いモチーフを模して作った新しいもの。柱頭上の石と古さが違いますもんね。
かわいらしかったのは、軒送りに並べられていた浮き彫りの数々。




上の方に転々と並んでいるのがそれです。拡大すると、こんな感じ。








人の顔が多かったですが、動物や虫や得体の知れないものたちがひっそりと隠れていて、なんとも愛らしかったです。上の方なので、遠いですけど。

別に特筆するような教会でないのは確かなのですが、やっと探し当てた嬉しさと、この軒送りの愛らしさで、ちょっと印象に残る場所です。いくらロマネスク好きでも、誰でもが簡単にいける場所ではない、っていうか、わざわざ行こうと思わないでしょうから、まさにわたしの本領発揮です。一生見ることのない場所の資料として、ご笑覧ください。

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  1. 2013/03/15(金) 06:27:36|
  2. ポワトー・シャランテ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

No title

nice
  1. 2013/03/15(金) 00:22:00 |
  2. URL |
  3. zxh*3*422*08zb4 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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