シャランテその5、Saint Surin
地味な教会ばかり、よくあきもせず次々回るよね~、と思われそうですが、そして実際そうなんですけれど、こういうロマネスク集積地のよさは、本当にすっごく狭い地域に教会がひしめいているので、余り面白くない場所があっても、すぐに気を取り直して次を目指せるし、それがまた10分から30分くらいで到着できたりしちゃうんですね。だから、つまらない場所があっても、飽きる暇がないんです。
このシャランテの旅では、最初地味な場所が続いた割には、次に進むほどに、面白いものがどんどん出てきたので、疲れても飽きるどころか止めどころが見つけられず、最後は嬉しい悲鳴状態でしたので、それはそれでお楽しみに。
まだちょっと続く地味な教会編ですが、次はこのSaint Surin。緑の道をたどり、小川を渡り、こんな道でいいのだろうか、という先に、小さな集落があり、傍らにひっそりとたたずむ教会です。
何の変哲もない小さな古い聖堂ですが、周囲の雰囲気に溶け込んで、千年前からずっとここにあったことが、本当に実感されるたたずまいです。
ファサードは装飾性も何もなくて、ずっと村の人々に必要とされた祈りの場であったことが、かえって強調される感じです。
それでも、全体にずいぶんと修復はされているのが、後陣側からだとよくわかります。
後陣側にはちょっとしたスペースがあるので、とても美しい姿が眺められます。
ここは、幸いにも正面扉が開いておりました。
とても地味な内部。
壁は白い漆喰が塗られていますが、ところどころにフレスコ画の跡が見えました。
ロマネスク当時のフレスコ画なのか、それより後の時代なのかは皆目わかりませんが、この程度の大きさでフレスコ画があったら、とても身近に見えるし、相当インパクトがあったかもしれません。
床。
そんなに古いものではないかと思いますけれど、こういう石の床のでこぼこ感って好きです。
びっくりしたのが、何の変哲もなく、まるで誰かのお家の一角のようにごちゃごちゃとものが置かれている祭壇。よく見ると、レリック?
透明ケース(それも、かなり安っぽい…)に入った骨らしきもの。まさか教会の捧げられているSurinさんのレリック?いやはや、このレリック文化は、まったく理解できないものです。無造作に骨を…。
でもこのごちゃごちゃ感は、なんかちょっとほっとするというか、生きているなぁ、と感じさせられますよね、教会が。装飾も地味で、見るべきものも余りないのですが、でも、そういうところが好ましい場所でした。
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- 2013/03/17(日) 06:20:37|
- ポワトー・シャランテ・ロマネスク
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| コメント:3
6枚目の写真、2倍に拡大してみてみました。本当!腕の骨らしいのがはいっていますね。それに祭壇にこれほどごちゃごちゃ置かれているなんて初めてみました。十字架にペンダントを引っかけてあるのも、、。 若い女の子なのでしょうか。ほほえましくていい教会ですね。後陣は美しいです。でもほかにとくにこれといったところのないこういう教会、ツアーでは絶対に行かないです。気ままな車の旅だからこそですね。 うらやましいです。
- 2013/03/17(日) 01:42:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
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書き忘れました。この十字架の形、しもぶくれで変わってますね。
- 2013/03/17(日) 01:44:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
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ykさん
余り大きな写真をアップしていないので、拡大しても余りよく見えなかったでしょう、ごめんなさい。ふふ、でも本当に庶民的な場所ですよね。
そう、いつでもいけると思うから、こういう場所も行けちゃうんですね。それにしてもシャランテは思った以上に地味で、美術史的重要度も小さいのでしょうが、意外と面白い場所です。ブリオネもよかったですが、地味さではこっちの勝ち。土地の美しさもこっちの方が勝つので、再訪するつもりです。次回は、もっと有名な場所中心に…。
- 2013/03/17(日) 22:33:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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