シャランテその7、シャトーヌフ・シュル・シャランテChateauneuf-sur-Charente、サン・ピエール教会Eglise de Saint-Pierre続きです。
いよいよ中に入ります。
いきなり、こんな感じ。外観とはあまりに落差のある不自然な白さに、げっ!ここもだめか!と一瞬思ったのですが、いやいや、ここの柱頭、面白いんです。中央身廊にある柱頭は、どれも異なるモチーフで一杯です。
植物のぐるぐるした中に、いろいろな動物フィギュアが、それはもう様々なスタイルではめ込まれているパターンがたくさん。残念なのは、教会の背が高いので、かなり遠いのです。カメラのズームを最大にして見ないと、よく見えない。
だから撮影も、ほとんど失敗しています。こういうところは、一眼レフじゃないと難しいですね。
全体として、本来わたしが好きな時代よりも、ちょっと下がっていて、ゴシック・テイストがかなり入っている気もするのですが、どれも保存状態がとてもよいので、楽しめます。
植物モチーフも、オリジナリティが高くて面白いです。
イタリアだと、直物モチーフのほとんどがアーカンサスのバリエーションで、デザイン的に面白い場所もあるのですが、フランスの植物モチーフの多様さは、感動的に幅広いです。
物語モチーフもあります。
わたしの好きなダニエルさんが、いらっしゃいました。
かなり強く、動物使いのようなダニエルさんです。
なかなかの力作揃い。
それにしても、ちょっと白くしすぎですね。アンギュレームと同じ感じで、表面に化粧板を貼り付けちゃっているって言うんですか、この感覚はわからないですねぇ。壁の保護でもあるのでしょうけれど、なじめないです。
円柱のひとつに、古い碑文が残っています。
古い碑文の字体が好きです。どれも味があって、とってもデザイン的。これもその例に漏れず、お洒落です。意味がわからなくても。
この部分の色が、おそらくオリジナルの石の色なんだと思います。これだったらずいぶんとなじめるのに。
ただ、かなりいたんでいるのか、右側後陣だったか、こういう支柱がありました。
背が高いし、柱にかかってくる重量もすごいものなのだろうなぁ、と思わされます。構造自体は、オリジナルのままということなので、千年以上も、そういうとんでもない重量を支えているんですよね。ご苦労様です。
すっかり満足して外に出て、外観をぐるりと見学。
付け柱にアーチ、きれいなスタイルです。軒送りに、たくさん、かわいらしいものが並んでいます。
これまた遠いし、さすがに相当傷みが激しいのですが、この軒送りの飾りも、あちこちで見られるもので、楽しいです。
どのディテールにも、心引かれる装飾が満載で、実に訪れる価値のある教会です。去りがたいながらも、次も次も、と先に進みたい気持ちも盛り上がる一方。ルンルンしながら、車まで急ぎ足で戻りました。
そうそう、特筆すべきは、この街で始めてフランス語が通じたこと。
ここに来るまでに、既にわたしのフランス語は全然通じないことがわかったので、もうすっかり英語生活をしていました。カフェに入り、ここでも英語で、お客さんの一人が「オレ、英語わかるから!」というので、英語で水のボトルを頼んだものの通じないので、どうせだめだろうと思いながらも、テキストそのままに、遠慮がちに「un bouteille d'eau」と、ささやくように言ってみたら、「おお!フランス語できるんじゃん~!水だよ、水!」と、その英語ができるはずの人に大喜びされました。お前、英語できるんじゃなかんかよ!と心の中で突っ込みながらも、実はすっごく嬉しかったです。
でも、この数日の旅で、フランス語が通じたのは、ここだけだったな。それも「水のボトル」。なんだかな~。
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- 2013/03/20(水) 06:19:13|
- ポワトー・シャランテ・ロマネスク
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| トラックバック:0
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| コメント:2
corsa党といたしましては、柱頭や軒送りにご満悦のご様子、自分のことのように嬉しいです。「うんうんこの感じ!」ってとこです。
- 2013/03/20(水) 01:02:00 |
- URL |
- otebox #79D/WHSg
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へへへ。かわいらしい浮き彫りには、どうしてもニヤニヤしてしまいます。今日もまた、超マイナーな浮き彫りをアップしてしまいました。ニヤニヤしながら。
- 2013/03/21(木) 21:54:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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