今週は、ミラノの家具展示会サローネです。
この数年、毎回、市内各地で行われるフオリサローネを歩いてきましたが、今年は、かなり限定的なレポートです。
というのも、疲れているのに加えて、最初に、ガイドブック欲しさに訪ねた大学の展示が、いまひとつ面白くなくて、どっとテンションが下がってしまったんです。
今日も、普段だったら、早めに仕事を終えて、トルトーナ方面に繰り出すはずですが、なんだか人ごみや喧騒や商業的なぎらぎらが面倒になって、手近なブレラの美術館を回っておしまいとしてしまいました。
でも考えたら、わたしはインダストリアル・デザインの人でもないし、アート的観点から面白いと思ってフオリサローネを回っているのだから、こういう風にピンポイントでアート的な展示だけを見れば十分だな、と思ったり。何年も見たから、ちょっと飽きたというのもあるにせよ、もともとインダストリアル・デザインは商業的な観点が出発点だから苦手だったりする、その原点に戻っただけのことかも。
それはともかく、やっぱり面白いものは面白いし、一生知ることのなかった世界を垣間見たり、出かける価値のあるのがこのサローネの世界でもあります。
では、ちょっとだけ。
大学から。
平日の夕方でも、人では結構あり、考えたら平日だから大学も営業中(?)なわけで、週末だったら固く扉が閉ざされている場所も、結構開いていたり、ここは入っていいのか、何かあるのか、よくわからず、かえってうろうろ鬱陶しかったり。
しかし、キオストロのひとつは完全に使われていなかったり、全体にとにかく地味でした。はっとびっくりするようなインパクトのある展示は一切なくて、あっという間に全部を見終わってしまってびっくり。
ちょっと目を引かれた黄金のオブジェ。
子供が喜んで、乗っかったりくぐったりして遊んでいました。触れたりすることに規制が少ないのは、とってもよいことです。
一番大きいキオストロでは、多分パソコンと連動した大きなスクリーンのある東屋風の建物が真ん中に作られ、回廊には、マイクとたくさんのスピーカーが設置されていて、片隅にあるマイクにしゃべると、それがいろんなエフェクト付(リピートしたりぼやけたり)でキオストロ中に響き渡るという仕掛けになっていて、場に入ったとき、その効果音にびっくりしました。子供が叫んだり、高校生くらいの子が四文字言葉をつぶやいたり、それないに面白かったけども、インパクトは、いまひとつ。
キオストロに続く扉部分は、いつも面白い作品になっています。
今回も、鏡面を使って色の氾濫。きらきらとして、一見すごくきれい。実はこの色の部分は、鏡面に突き刺さった口紅。なぜ口紅である必要があるのか、といえば、もちろんスポンサーが化粧品会社だからですね。
パナソニックの展示もありました。
多分、太陽光電池の基盤の小さいやつをこれでもか、と並べたもの。Akihisa Hirataさんって、多分新進売れっ子デザイナーだと思います。建築家かまたは技術者かわかりませんが、他の場所でもこの方の作品、見ました。でも、後から見た作品も含めて、なんだか「ふーん」って言うか、もっとすごい人っているよね?みたいな。
合間に、大学のすぐ横にあるロマネスク起源の教会後陣にほっとしながら、先に進みます。
一瞬、「弥生ちゃん?!」と思ってしまった、インテルニの事務所。
実は大学は、インテリア雑誌であり、このフオリサローネをここまでのイベントに仕立て上げたインテルニ主催の展示会開場なんです。その事務所は、今をときめくサムスンのグループ会社サムスン・ケミカル社の素材を使ったインテリアになっていたようです。
ここには、会場中の展示の資料が置かれていて、素敵な紙資料がいろいろもらえます。フオリサローネを一冊にまとめた雑誌の付録を、ここでは無料でいただけるので、それが目的でした。
この展示会のテーマは「ハイブリット-建築とデザイン」。若干使い古された印象のあるイメージですけれど、さて、どうでしょうかね。
続きます。
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- 2013/04/13(土) 05:41:39|
- ミラノ・フオリサローネ
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| コメント:4
最後の写真の部屋はインパクトありすぎて、めまいがしそうです。
- 2013/04/12(金) 21:47:00 |
- URL |
- チビッコ未来発電所 #79D/WHSg
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ふふ、確かにくらくらしました。こんな場所に四六時中いて、普通に平気そうな受付のおねえさんたちって、どうなっているんだろう、と正直思いました。笑
- 2013/04/13(土) 21:36:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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下から四枚目、すごいですね。ロマネスクの入り口をこんなに飾ってしまうなんて。明るく輝いて時にはこういう装いもいいですね。
- 2013/04/14(日) 23:14:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
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ykサン、こんにちは。
ここは、多分ルネッサンス期かと思いますけれど、古い建物であることは間違いなく、そういうところで現代デザインの最先端の展示を行うミスマッチが、面白さですね。イタリアではよく遺跡の場所を展覧会場につかったりしますが、それだけでなんだかわくわくします。
- 2013/04/15(月) 20:39:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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