プラサックPlassacその1
ここはとても小さな村で、ミシュラン緑本にも、教会のことは書かれていませんでした。おそらく、このあたりに詳しいサイトで事前に情報を得たものと思うのですが、もしかすると現地で得た情報かもしれません。
前回のサンテステフェから、程よい高低差とはいえ、時間にしたら20分強程度ですが(デジカメの便利さは、撮影時の時間を記録してくれることもありますね)、緑の丘をいくつも上がったり下がったりして、いい加減これは引き返した方がいいのじゃないか、と不安になりだした頃、ほんのわずかの家々が立ち並ぶ開けた道に出ました。
来た方をみるとこんな感じ。何の変哲もない郊外の住宅地という感じですが、ここに至るまでは、まったく何もない丘の道。
で、これはだめだ、と路肩に緊急停車したところ(左側の路肩に停まっているのが、今回借りていたレンタカーの車)、進んでいた方向の、道の先に見えたのが、この教会。
気持ちはもうあきらめかけていたところで、このドラマチックな出現で、とても嬉しかったのをよく覚えています。青空が見えるけれど、風が強くて、なんだか寒かったような印象があります。真夏だったので、そんなはずはないのですが。
さて、喜び勇んで、車をうっちゃって、徒歩でアクセスです。
教会は、高台の際に建っているので、景色が素晴らしいです。
後陣の裏側に広がる土地。何もないのが、よくわかっていただけると思います。
肝心の教会、まずはファサード。
典型的なサントンジュの教会です。傾斜屋根の天辺に石の十字架、これもおなじみなら、段々アーチの多様や、そのアーチ装飾なんかも典型的。サントンジュ様式、悪くないな~。
特にこういう風に、余り余計な装飾(アーチの中に彫刻がごたごた置かれたり、浮き彫りが目一杯施されていたり)がないタイプ、すっきりしていて好みです。
それでいて、よくみれば、要所にちゃんと彫り物とかあるんですよね。
アーチの帯装飾、柱頭の彫り物、軒送りの下の様々なフィギュア。奥ゆかしさがあります。
後陣側も、まったく同じような装飾で、全体の統一感がすごくあります。
後陣のアーチの上の方に、丸窓が開けられていますが、これがなぜかずれています。もしかすると、教会の縦線が若干ずれていて、丸窓の場所が真東とか、そういうことなのでしょうか。
それにしても、後陣側から見ると、とってもすっきり、背の高い縦長さんです。この、後陣の円形部分と、本堂の四角部分の横幅が同じ、こういうスタイルも、サントンジュ風と言えそうです。
教会外側の彫刻装飾は、全体にかなり風化が激しく痛んでいるのが、残念ではあります。内部はかなり修復されているので、ますます。風化が激しいのは、やはり雨風に強くさらされやすい丘の突端と言う立地のせいもあるのかもしれません。
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- 2013/04/18(木) 05:27:54|
- ポワトー・シャランテ・ロマネスク
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ガヴィさん、こんにちは!お元気そうで何よりです。
やっぱり青空と緑は、気持ちいいって言うことなのかな。もっとこういうロマネスクのある風景というのをたくさん撮影すればいいのに、自分、と自分でもよく思います。旅の写真を見ると、石の灰色ばっかりで、時々あきれます。
内側は、祭壇になっていますよ。この教会の後陣は、とっても美しかったので、是非続きも見てくださいね。
ご聖櫃というのですね、美しい言葉です。
ここにはなかったのですけれど。
- 2013/04/18(木) 21:12:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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